会話ロボットを前に祝辞を述べる女性教師=YouTubeから

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(高雄中央社)新型コロナウイルスの国内感染が拡大する中で、6月の卒業シーズンを迎えた台湾。南部・高雄市の曹公小学校では7日、感染防止を目的としたオンライン卒業式が行われたが、ネットユーザーの心ない批判がもとでメディアに取り上げられ、校長が謝罪する予想外の騒ぎに発展してしまった。

同校は卒業生の分身として会話ロボット20体をレンタルして会場に並べ、自宅にいる児童らとつないで卒業式を執り行った。ところが、整列するロボットを前に祝辞を述べていた女性教師が感極まっておえつする動画が拡散。これを見たネットユーザーらから「告別式のよう」「人生の卒業式」などと嘲笑を浴び、さらにテレビなどでも報道されてしまうという結果になってしまった。同校は同日夜に声明を発表し、むやみな動画の拡散を控えるよう求めていた。

劉熾慧校長は8日、同校のフェイスブックに、「いい思い出を作ってあげようと思ったのに、ほこりをかぶってしまった」とつづり、卒業生や保護者に謝罪。その上で、「一緒にこのほこりを払いましょう」と呼び掛け、ネットユーザーに中傷されても淡々とした態度で受け止め、学校側の善意と当初の意図をくんでほしいと訴えた。

同市の史哲副市長も同日、自身のフェイスブックを更新し、「児童に接するようにロボットに接する先生の気持ちが伝わった」と関係者を励ました。

(洪学広/編集:塚越西穂)