少女漫画雑誌「なかよし」で1996年〜2000年に連載され、アニメ化もされた「カードキャプターさくら」。多くの魅力的なキャラクターが繰り広げる重厚なストーリーで人気を博し、男女問わず幅広いファンから長く愛されています。

 そのTVアニメが放送されていた約20年前。あるお母さんが幼稚園の入園を控えた娘さんのために、主人公のさくらの刺繍をスモックに施しました。糸を渡して生地を埋めただけだと言いますが、アニメ第2期OPを忠実に再現した出来栄えには、愛情をこめ1針1針丁寧に刺繍したようすがうかがえます。

【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】

 刺繍の作者は、Twitterユーザーのひなたさん(@hinata_1966)。当時は、幼稚園で使用するスモックに子供の名前やキャラクターのアップリケを付けることが流行っていたそうです。

 ちょうど手元には、亡き伯母から譲り受けた刺繍糸がたくさんあったことから、娘さんも母であるひなたさんも大好きな「カードキャプターさくら」の刺繍をつけようと思いついたとのこと。

 とは言うものの、刺繍を趣味や仕事にしていたわけではなく、制作はまさに一からのスタート。

 雑誌のイラストを参考にして、図をおこし、塗り絵の要領で糸を渡してひたすら塗りつぶすという作業が行われました。夜中に憑かれたかのように刺繍をしたそうで、入園に間に合うか焦りつつも、何とか完成までこぎ着けました。

 完成した作品を娘さんに見せたところ、大変喜び笑顔で着てくれたそうです。娘さんは相当嬉しかったのか、頻繁にジャングルジムに登って「さくらちゃんの刺繍」をアピールしていたのだとか。この世にふたつとない自慢の手作りスモックがさぞ誇らしかったのだと思います。

 それから約20年たった先日の出来事。ひなたさんがふと、想い出のスモックの写真を添えて「誰か見て〜」とツイッターに投稿してみたところ、5万件を超える「いいね」がつき大きな話題となりました。

 ツイートが大きな反響となっていることについてひなたさんは「あらためてさくらちゃんの人気の凄さ、ファンに愛され続けていることを実感しました。そしてさくらちゃんの可愛さを損ねていないようだったのでホッとしてます」とコメント。ひなたさんが刺繍糸で作った作品はこれひとつだけとのことですが、もしも機会があれば、ぜひ新たな作品を見てみたいものです。

<記事化協力>
ひなたさん(@hinata_1966)

(山口弘剛)