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 蒲田駅近くに昔からあるカレー屋さんも大盛りメニューがあるよ~、と聞き、向かったのはJR蒲田駅西口。居酒屋さんやパチンコ店などが並び国際色豊か、夜でもキラキラしている蒲田の賑やかなエリアです。

 店に入ると券売機の上に写真があり、どのカレーにするか見て選ぶことができます。「牛すじカレー」(670円)、「ナスチーズカレー」(770円)、中には「アンガスビーフステーキカレー」(1520円)といった、ステーキ肉1枚がドーンとのったゴージャスなカレーも。「炒飯カレー」(740円)も気になるなぁ~。ちなみに店名がついた「松家カレー」は520円で、ポークカレーです。

カレーの種類は20種類!ご飯の量や辛さも選べる自由度の高さが魅力

券売機。さんざん悩んだ結果「豚バラのトロトロ煮カレー」840円に決定!

 店の1・2番人気は「かつカレー」(820円)と「からあげカレー」(740円)とのことですが、20種以上もの種類があると、ここでしか食べられないオリジナリティあふれるカレーが食べたい! ということで、今回選んだのは「豚バラのトロトロ煮カレー」。写真を見ると、チャーシューが長いままカレーライスの山にのっかっていて迫力十分。これを店最大級のゴハンの量の爆盛に、さらにルー大盛にして注文です!

壁に貼られたライス盛りの案内。他に味変アイテムの「辛さの目安」や、薬味・調味料の案内なども貼ってあり、初めて来た人でもわかりやすい

 ゴハンは中盛、大盛は値段の変更なし、超盛、激盛、鬼盛が+100円で、勝盛、爆盛が+200円。逆にライス少なめ、半ライスにも可能。ゴハンの量が10段階もあるのってすごい。刻んで選べるのにも、人気の理由の一つなんだろうなぁ。

 そして、店の中にある棚には漫画がぎっしり。しかも、ワンピースとかバカボンド、僕ヒーローアカデミア、弱虫ペダル、呪術廻戦など、新旧少年漫画、しかも長期連載の漫画の単行本がずらっ。これはカレーだけが目的じゃない、1巻から全部読むために通っている人もいるはず。

ゴハンの山にまたがる豚バラ! ルー大盛りでトータル約1kg

「豚バラのトロトロ煮カレー」840円+カレールー大盛100円+ライス爆盛200円

 張り紙やら漫画の棚などをキョロキョロ見ているうちに、カレー完成。早速計測です。器の直径は約22.5cm、ライス&豚バラの高さは約9cm、重さは1087g(器の重さを除く)。ゴハンが700gなのでルーと豚バラが400g弱、ということでしょうか。

 早速一口! ルーはちょっと懐かしい、古き良き洋食店で食べるカレーの味、ポークカレーです。そして豚バラはスプーンでほぐれる柔らかさ。幅はあるけれど、厚みはそこまでないのと、じっくり煮込んであるからホロホロ。スプーンでほぐして、ルーやライスと一緒に食べやすくなっています。

深さのあるお皿になみなみとルーが。高さは約9cm。山盛りのお米を覆う豚バラの存在感!

「豚バラは角煮と一緒。圧力鍋に醤油とみりんで煮て、薄切りにしているんだよ。もともとこの店は、先代の味に惚れ込んで受け継いだもの。だからルーの味は先代からのオリジナルだね。いわゆる“旨辛”。大人向けのカレーにしているんだけれど、味変アイテムがいろいろあるから、好きな味にすればいいよ」

 と店主が指した先にあるのは、カウンターに置かれた味変用のソースや調味料。卓上にもタバスコや辛みスパイス、ルー専用醤油、福神漬け、らっきょうなどが置いてありますが、カウンターの一角には、「激辛の素」「旨辛の素」、ハバネロにデスソースといった刺激強目のアイテムも。他にカレー専用醤油や中濃ソースなどもあります。カスタマイズ縦横無尽、といった感じ。

ルーは明るめの褐色。タマネギは溶けこんでいて、ほぼ飲めるカレー!

 なぜこんなに味変アイテムがあるんですか?「元々はサラリーマンのリクエストだね」と店主。より辛く、もっと辛くとリクエストされるうちにどんどん増えていき、タバスコや辛みスパイスだけではなく、ハバネロや激辛の素などを置くようになったとのこと。

 なので、ここではボリュームがすごくても食べ飽きることなし! 様々な味変アイテムで刺激的にしちゃえば楽しみながら食べ進められちゃいます。

飴色、とろっとろの豚バラ。箸で持っている側からホロホロ崩れそうな柔らかさ

 そして、爆盛を完食するためのアドバイスを聞くと「そんなに大盛りじゃないからいけるでしょ。ルーが足りなくなったら追加も+100円でできるし、味変のアイテムもいろいろあるから。そもそもウチは、爆盛も勝盛もウリにしてないから。20年前からずっとやっているからね」とニッコリ。

卓上にあるらっきょうと福神漬け。箸休め? スプーン安めにもこだわりが

 ちなみに卓上にある福神漬は、福神漬発祥の店と言われる上野「酒悦」の高級福神漬、らっきょうは「新進」の甘らっきょう。他にもこだわりはいろいろあり「うちはコロッケ以外全部手作り、店の仕事で8割は仕込みだね」。

 ルーづくりはもちろんですが、カツもパン粉をつけるところから全て店主が手がけているとのこと。

店内。手前にあるドリンクバーは女性の場合無料、男性は有料なのも地元で有名

「蒲田生まれ、蒲田育ちのカレーなんだよ。蒲田のソウルフードで、なおかつ大盛りがあるってことだね」と店主。ブームとは一線を画し、大盛り“が”あるではなく、大盛り“も”あるカレー店、ということです。

 ちなみにカレーは+150円で、全てのメニューが牛すじカレーに変更可能。そしてカレールーのみ、ライスのみ、トッピングのみのテイクアウトも可能です。ちなみにポークルーは320円、牛すじルーは470円。辛みスパイス付き。また、出前館でのデリバリーも対応しています。

 昭和37年創業、ずーっと蒲田で愛され続けているカレー店。味変アイテムの充実っぷりや、漫画の数、そしてたくさんの張り紙など、お客さんに喜んでもらうことを常に考えている、店主の愛情が伝わってくるお店でした。

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:蒲田松家カレー

住:東京都大田区西蒲田7-5-4
TEL:03-3737-3141
営:11:00~23:00(緊急事態宣言時は20:00まで)
休:なし

※緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などで営業時間の変更、休みなどがある場合があります。