お弁当づくりをがんばりすぎないで。コウケンテツさんの手の抜き方
料理研究家として、YouTuberとして人気のコウケンテツさん。私生活では3人のお子さんをもつ父親でもあります。
そんなコウさんは、「手づくりのお弁当は簡単でいい」と発信しています。海外のお弁当に出会って「日本のお弁当クオリティーは世界一。でも、毎日必要なのかな」という思いにかられたのがきっかけだそう。その理由と、コウさん流のお弁当ルールを伺いました。
弁当はそんなにがんばらなくてもいいんじゃない?
毎朝、家族のためにお弁当をつくっている皆さん! 早起きも、おかずを考えるのもつくるのも、本当に大変なこと。投げ出したいのをグッとこらえてがんばられていると思います。
仕事柄、お弁当づくりの相談をよく受けます。「見栄えよし、栄養よし、味よしにしたいけどどうしたらいい?」「きれいなつめ方を知りたい」という声が多いです。
僕の答えは、「弁当はそんなにがんばらなくてもいいんじゃない?」ということ。家事はお弁当づくりだけではないし、子どもの世話、自分の仕事とやるべきことは山のようにあるからです。
海外のお弁当って、衝撃的に質素で、いわば手抜き。取材で訪れたフランス・ブルターニュの家庭で、マダムが小学生の子どもに用意したのは、地元の名物のオイルサーディン缶とバゲットだけ。缶のまま、バゲットと一緒にボックスに放り込みます。お昼になったら、子どもは缶をあけてバゲットにはさんで食べるのです。
ブータンのお母さん作のお弁当は、山盛りのご飯にチーズと唐辛子を煮込んだ伝統料理のエマダツィをかけたもの。しかも、これは前夕のおかずの残り。東南アジア諸国は屋台で格安のおかずを買うのが定番です。そう、海外では、「お弁当はつめるだけ、もしくは買うもの」なんです。
海外の弁当事情を知ってから、お弁当に対する考えが変わりました。「おかずは1品か2品、盛りつけは廃止、おかずはご飯にのっけるだけ」が新しい基準。
肉や魚は手間をかけなくてすむ、扱いやすいものを選ぶのもコツです。切る手間のいらないこま切れ肉やから揚げ用肉、切り身魚は不動のレギュラー。もちろん、カニかまやちくわ、ソーセージもフル活用です。野菜は火がとおりやすいものを選んでいます。ひとつひとつはささいなことですが、チリも積もればかなりの時短に。
手の込んだお弁当を「当たり前」にしないことは、つくる人だけでなく、それを食べる子どもたちにとってもいい影響があるんじゃないかと思っています。わが家では、「キャラ弁は特別な日のお弁当」というルール。子どもたちはキャラ弁大好きですが、毎日つくってもらっていたら、ありがたみも薄れるでしょう。
その代わり、キャラ弁の日は、どれほど手間と準備が大変だったのかをしっかりアピール(笑)。「自分のためにこんなにがんばってくれた!」と大喜びです。普段はシンプルだからこそ、生まれる楽しさや喜びもあるのだと気づかされています。
ブータンのお弁当は、竹製の「ボンチュー」につめて。
フランスのオイルサーディン弁当。
<撮影/寺澤太郎、山川修一 取材・文/ESSE編集部>
料理研究家。がっつりメニューから素材の味を生かしたレシピまで幅広いレパートリーが大人気。『コウケンテツのだけ弁
』(扶桑社刊)など著書多数。
そんなコウさんは、「手づくりのお弁当は簡単でいい」と発信しています。海外のお弁当に出会って「日本のお弁当クオリティーは世界一。でも、毎日必要なのかな」という思いにかられたのがきっかけだそう。その理由と、コウさん流のお弁当ルールを伺いました。
弁当はそんなにがんばらなくてもいいんじゃない?
「もっとラクでいい」。コウケンテツさんが考えるお弁当づくり
毎朝、家族のためにお弁当をつくっている皆さん! 早起きも、おかずを考えるのもつくるのも、本当に大変なこと。投げ出したいのをグッとこらえてがんばられていると思います。
仕事柄、お弁当づくりの相談をよく受けます。「見栄えよし、栄養よし、味よしにしたいけどどうしたらいい?」「きれいなつめ方を知りたい」という声が多いです。
僕の答えは、「弁当はそんなにがんばらなくてもいいんじゃない?」ということ。家事はお弁当づくりだけではないし、子どもの世話、自分の仕事とやるべきことは山のようにあるからです。
●お手本は海外の超ラク弁
海外のお弁当って、衝撃的に質素で、いわば手抜き。取材で訪れたフランス・ブルターニュの家庭で、マダムが小学生の子どもに用意したのは、地元の名物のオイルサーディン缶とバゲットだけ。缶のまま、バゲットと一緒にボックスに放り込みます。お昼になったら、子どもは缶をあけてバゲットにはさんで食べるのです。
ブータンのお母さん作のお弁当は、山盛りのご飯にチーズと唐辛子を煮込んだ伝統料理のエマダツィをかけたもの。しかも、これは前夕のおかずの残り。東南アジア諸国は屋台で格安のおかずを買うのが定番です。そう、海外では、「お弁当はつめるだけ、もしくは買うもの」なんです。
●キャラ弁は特別な日だけのお楽しみ
海外の弁当事情を知ってから、お弁当に対する考えが変わりました。「おかずは1品か2品、盛りつけは廃止、おかずはご飯にのっけるだけ」が新しい基準。
肉や魚は手間をかけなくてすむ、扱いやすいものを選ぶのもコツです。切る手間のいらないこま切れ肉やから揚げ用肉、切り身魚は不動のレギュラー。もちろん、カニかまやちくわ、ソーセージもフル活用です。野菜は火がとおりやすいものを選んでいます。ひとつひとつはささいなことですが、チリも積もればかなりの時短に。
手の込んだお弁当を「当たり前」にしないことは、つくる人だけでなく、それを食べる子どもたちにとってもいい影響があるんじゃないかと思っています。わが家では、「キャラ弁は特別な日のお弁当」というルール。子どもたちはキャラ弁大好きですが、毎日つくってもらっていたら、ありがたみも薄れるでしょう。
その代わり、キャラ弁の日は、どれほど手間と準備が大変だったのかをしっかりアピール(笑)。「自分のためにこんなにがんばってくれた!」と大喜びです。普段はシンプルだからこそ、生まれる楽しさや喜びもあるのだと気づかされています。
●世界の弁当はこんなに自由だった!コウさんがお弁当を再現
ブータンのお弁当は、竹製の「ボンチュー」につめて。
フランスのオイルサーディン弁当。
<撮影/寺澤太郎、山川修一 取材・文/ESSE編集部>
【コウケンテツさん】
料理研究家。がっつりメニューから素材の味を生かしたレシピまで幅広いレパートリーが大人気。『コウケンテツのだけ弁
』(扶桑社刊)など著書多数。