JR宇都宮駅東口で整備が進む次世代型路面電車・LRTの事業費が大幅に増えたことを巡り、宇都宮市が事業費の増額を2年前に計算していたことが市の内部文書で分かり佐藤栄一市長が25日、一連の問題について説明し、情報公開の在り方を考え直していく方針を示しました。

この問題は、今年1月、およそ200億円の事業費の増額と1年の開業延期が発表されたLRT事業について、市の内部文書で2年前には事業費が170億円ほど増える試みの計算が行われていたことがわかったものです。

この文書は精査前の内部協議用の文書で、佐藤市長が事業の具体的な増額を知ったのは去年11月の市長選挙後の12月の正式な報告だとしています。

文書には「工事の進捗状況や選挙時期、反対派の動向等を見極めながら公表のタイミングを検討する」という一文があり、文書作成後に市議会議員選挙や市長選があったことから、市議会でも情報公開の在り方が問われています。

会見で佐藤市長は、改めて事業について丁寧に説明してくとともに情報開示の在り方や誤解を与えない表現を見直していきたいと陳謝しました。

一方で今年度内に方向性を決めるとしていたLRTのJR宇都宮駅西側への延伸については、これらの問題や駅を超えるための技術的な部分、まちづくりの効果などの検証が終わっていないことを理由に、まだ公表することはできないと明かしました。

西側の費用増額の情報は現在までに出ていないということです。