先月、商業施設のトイレで女子高校生が出産した男の子を、その場で殺害するという痛ましい事件がありました。

事件発生以降「女子高校生には相談する人がいなかったのかな。追い詰められてのことだと思う」、「病院で出産するのも命がけで不安なのに不安にならなくて大丈夫!という場所がもっと増えてほしい」などさまざまな声が寄せられています。

未成年の望まない妊娠、同じように悩む女性のために何が必要なのか。有識者に話を聞きました。

丸山さん:「(事件報道を受け)高校生ともなると不利益なことは外に出さないようにする。よほど子どもたちの心の中に入らないと事件防ぐのは難しい」

こう話すのは臨床心理士で高校教諭の経歴をもつ県カウンセリング協会の丸山 隆理事長です。

未成年の望まない妊娠を防ぐために周りの大人に何ができるのでしょうか。

丸山さん:「確定的なことではないが、性に走るケースの場合、『一人ぼっち』『さびしい』『私なんかどうせ』と思ってたりする子が経験上多い気がする。家族内があたたかく、会話がある家族をつくることが必要。そういう中では 『どうせ』と思わないし、簡単にSNSで知り合った人と会うことも減る。いろいろな意味で家族の風通しがよいことが必要」

厚生労働省のまとめによりますと、2018年度の栃木県の20歳未満の人口1,000人あたりの人工妊娠中絶件数は4.0件と、全国平均を下回っています。

しかし中高生などの10代が妊娠した場合、誰にも相談できず孤立したまま臨月を迎えてしまったり、お金を払えず医療機関を受診できなかったりするケースが出てくるといいます。

丸山さんは普段から子どもの様子を気にかけて周りの大人が会話のある関係をつくることが必要だと指摘します。

丸山さん:「性を自分の人生と連動して考えることはとても大切。自分を大切にしてください」