2021年クラシック候補たち
第2回:グレナディアガーズ

 今春の大舞台を目指す、明け3歳世代。その牡馬において、世代最初のGIウイナーとなったのは、栗東トレセンの中内田充正厩舎に所属するグレナディアガーズ(牡3歳/父フランケル)だ。


GI朝日杯FSを制したグレナディアガーズ

 父はヨーロッパで14戦全勝、GI10勝という記録を残した歴史的な名馬フランケル。母はアメリカのGIBCフィリー&メアスプリント(ダート1400m)を勝っているウェイヴェルアベニューという良血馬である。

 昨年7月にデビューするも、当初は期待どおりの結果を残せなかった。新馬戦で2着、続く未勝利戦でも4着と人気を裏切った。

 しかし、3戦目の未勝利戦(11月7日/阪神・芝1400m)でついに真価を発揮する。道中2番手につけると、直線半ばで逃げたロードリスペクトをあっさりかわし、持ったままゴール板をトップで通過。後続に3馬身差をつける圧勝劇を披露した。

 その勢いで挑んだのが、GI朝日杯フューチュリティS(12月20日/阪神・芝1600m)。前走で未勝利を勝ち上がったばかりで、7番人気の低評価だったが、大逃げを打ったモントライゼに続く、好位2、3番手を追走。直線、残り200mを切った時点でモントライゼを捕らえ、先頭でゴールした。

 終始安定した走りを見せたグレナディアガーズは、人気馬の追撃も見事に抑えてレコード勝ち。今後のさらなる飛躍が期待された。

 こうして、世代のトップホースとなったグレナディアガーズ。管理するスタッフたちは、同馬のここまでの走りについて、どう見ているのだろうか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「グレナディアガーズについてスタッフは、『デビュー前から能力の高い馬だと思っていたが、性格の難しいところがあって(最初のうちは)結果に結びつかなかった』と話しています。しかし3戦目以降は、馬も成長して力を出せるようになり、『ポテンシャルの高さを再確認できた』とのこと。その口ぶりから、GI制覇も決してフロックではなさそうです」

 豊かなスピードを秘める同馬だが、気になるのは今後の路線。クラッシックに向けて、出走レースの距離を延ばしていくのだろうか。

「スピードに秀でたタイプで、『マイルに対応できたのは収穫だった』とスタッフ。現時点では『(今後も)距離を延ばしていくことは考えていない』と話していました。成長を見極めながら、オーナーらと相談して、今後の出走レースを決めていくのではないでしょうか」

 現状を踏まえると、春の大目標はマイルGIとなりそう。最大の武器であるスピードを生かして、再び輝かしい勲章を手にすることができるのか。グレナディアガーズの動向から目が離せない。