安田、藤原だけじゃない!今季も期待の若手が多いロッテ
昨季13年ぶりに2位となり4年ぶりにクライマックスシリーズに進出したロッテは、今季1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を目指していく。
実績のある中堅、ベテラン組の活躍とともに、若手選手たちの台頭が増えれば、増えるほどチームは活気付き勢いが増していくことだろう。昨季は安田尚憲が87試合で4番に座れば、開幕前に支配下選手登録となりチーム最多の23盗塁をマークした和田康士朗、ルーキーながら代打で打率.310を記録した佐藤都志也、シーズン最終盤に一軍昇格した藤原恭大はプロ初本塁打を含む2本の先頭打者本塁打を放った。投手陣も大卒2年目の小島和哉が先発ローテーション入りに定着し、高卒6年目の岩下大輝がシーズン自己最多の7勝、FA移籍した鈴木大地の人的補償で加入した小野郁は40試合に登板した。
リーグ制覇する上で、一軍の戦力となる若手選手が1人でも多く出てきて欲しいところ。野手でいえば安田、藤原が昨季の経験を踏まえて、今季どのような活躍を見せるか気になるところだが、個人的には“大卒2年目組”に注目したい。
投手と野手では違いはあるが、1年目の夏場に先発ローテーションに定着した小島が大卒2年目の昨季1年間先発ローテで投げ抜いた。安田、藤原と同じになってしまうが、昨年1年の“経験”をどう2年目に活かしていくか。その中でも、“打てる捕手”として期待された佐藤は昨季1年間一軍に帯同した。6月27日のオリックス戦では代打で登場し、プロ初安打となるサヨナラタイムリーを放つなど、代打での33試合出場、9安打、5打点はいずれもチームトップ。代打の起用回数も多かったが、打率.310と“1打席”で結果を残す難しい役割も、ルーキーながらしっかりと対応した。
スタメン出場は指名打者で16試合、捕手で4試合あったが、スタメンマスクを被った試合は打率.636(11−7)、1本塁打、3打点と打った。9月3日の西武戦では、2回にプロ初本塁打となる第1号先制ソロを放つと、5−2の5回一死一、二塁の場面で、レフトへ2点適時二塁打を放っている。
“打てる捕手”は球界を見渡してもかなり魅力的な存在。打ってアピールすることはもちろんだが、守備面でも首脳陣からの信頼を得たい。昨季は田村龍弘が65試合、柿沼友哉が49試合でスタメンマスクを被っており、“3番手捕手”という位置付けだった。序列をあげるためにも、種市篤暉が先発の時に柿沼がスタメン出場していたように、佐藤も先発ローテーションの誰か1人が先発のときにスタメンマスクを託されるようになりたい。そのためには、練習試合、オープン戦から捕手としてもアピールしていきたい。それとともに、指名打者での出場機会も増やしていきたいところだ。“打撃”に“守備”に磨き、飛躍の1年としたい。
投手では今季3年目を迎える古谷拓郎に注目だ。1年目の19年はコントロールが良く、リズム良く投げ、時折走者がいないときもクイックを入れて打者のタイミングをズラすなど、球のキレで勝負していくというイメージだった。2年目の昨季は“強いボール”を手にするためトレーニングに励み、プロ初登板となった10月10日のソフトバンク戦で最速152キロをマークし、ファームでは1年目の50回・27奪三振から2年目の昨季は36回1/3・32奪三振と、“進化”した姿があった。
古谷は高卒1年目当時から自身を客観的に見て、今何が足りないのか、何をすべきなのかを考えて練習することができる投手。先輩投手に積極的に話を聞くだけでなく、自身で試してみて、得た情報のなかで合うか、合わないかを取捨選択できる能力がある。“プロ”としての自覚が備わっており、このオフも3年目の今季に向けて課題と向き合いトレーニングに励んでいると予想する。
振り返れば同じドラフト6位でプロ入りした二木、種市は高卒3年目で、ともに先発ローテーションに入り、二木が7勝、種市が8勝を挙げた。先発ローテ入りするためにも、練習試合からのアピールが必須。また、“ローテを争うライバルたちとの違い”、“昨季からの成長”、“次も投げさせたい”といった投球面、数字面でのインパクトも大事になってくる。
ここでは佐藤、古谷の話が中心になってしまったが、高部瑛斗、福田光輝、平沢大河、山口航輝、ルーキーの小川龍成、投手では佐々木朗希、ドラフト1位ルーキーの鈴木昭汰、育成の本前郁也など期待の若手がまだまだ控えている。今季、一軍で出場機会を増やし、レギュラーあるいは一軍定着する選手が何人出るか非常に注目だ。
文=岩下雄太
実績のある中堅、ベテラン組の活躍とともに、若手選手たちの台頭が増えれば、増えるほどチームは活気付き勢いが増していくことだろう。昨季は安田尚憲が87試合で4番に座れば、開幕前に支配下選手登録となりチーム最多の23盗塁をマークした和田康士朗、ルーキーながら代打で打率.310を記録した佐藤都志也、シーズン最終盤に一軍昇格した藤原恭大はプロ初本塁打を含む2本の先頭打者本塁打を放った。投手陣も大卒2年目の小島和哉が先発ローテーション入りに定着し、高卒6年目の岩下大輝がシーズン自己最多の7勝、FA移籍した鈴木大地の人的補償で加入した小野郁は40試合に登板した。
投手と野手では違いはあるが、1年目の夏場に先発ローテーションに定着した小島が大卒2年目の昨季1年間先発ローテで投げ抜いた。安田、藤原と同じになってしまうが、昨年1年の“経験”をどう2年目に活かしていくか。その中でも、“打てる捕手”として期待された佐藤は昨季1年間一軍に帯同した。6月27日のオリックス戦では代打で登場し、プロ初安打となるサヨナラタイムリーを放つなど、代打での33試合出場、9安打、5打点はいずれもチームトップ。代打の起用回数も多かったが、打率.310と“1打席”で結果を残す難しい役割も、ルーキーながらしっかりと対応した。
スタメン出場は指名打者で16試合、捕手で4試合あったが、スタメンマスクを被った試合は打率.636(11−7)、1本塁打、3打点と打った。9月3日の西武戦では、2回にプロ初本塁打となる第1号先制ソロを放つと、5−2の5回一死一、二塁の場面で、レフトへ2点適時二塁打を放っている。
“打てる捕手”は球界を見渡してもかなり魅力的な存在。打ってアピールすることはもちろんだが、守備面でも首脳陣からの信頼を得たい。昨季は田村龍弘が65試合、柿沼友哉が49試合でスタメンマスクを被っており、“3番手捕手”という位置付けだった。序列をあげるためにも、種市篤暉が先発の時に柿沼がスタメン出場していたように、佐藤も先発ローテーションの誰か1人が先発のときにスタメンマスクを託されるようになりたい。そのためには、練習試合、オープン戦から捕手としてもアピールしていきたい。それとともに、指名打者での出場機会も増やしていきたいところだ。“打撃”に“守備”に磨き、飛躍の1年としたい。
投手では今季3年目を迎える古谷拓郎に注目だ。1年目の19年はコントロールが良く、リズム良く投げ、時折走者がいないときもクイックを入れて打者のタイミングをズラすなど、球のキレで勝負していくというイメージだった。2年目の昨季は“強いボール”を手にするためトレーニングに励み、プロ初登板となった10月10日のソフトバンク戦で最速152キロをマークし、ファームでは1年目の50回・27奪三振から2年目の昨季は36回1/3・32奪三振と、“進化”した姿があった。
古谷は高卒1年目当時から自身を客観的に見て、今何が足りないのか、何をすべきなのかを考えて練習することができる投手。先輩投手に積極的に話を聞くだけでなく、自身で試してみて、得た情報のなかで合うか、合わないかを取捨選択できる能力がある。“プロ”としての自覚が備わっており、このオフも3年目の今季に向けて課題と向き合いトレーニングに励んでいると予想する。
振り返れば同じドラフト6位でプロ入りした二木、種市は高卒3年目で、ともに先発ローテーションに入り、二木が7勝、種市が8勝を挙げた。先発ローテ入りするためにも、練習試合からのアピールが必須。また、“ローテを争うライバルたちとの違い”、“昨季からの成長”、“次も投げさせたい”といった投球面、数字面でのインパクトも大事になってくる。
ここでは佐藤、古谷の話が中心になってしまったが、高部瑛斗、福田光輝、平沢大河、山口航輝、ルーキーの小川龍成、投手では佐々木朗希、ドラフト1位ルーキーの鈴木昭汰、育成の本前郁也など期待の若手がまだまだ控えている。今季、一軍で出場機会を増やし、レギュラーあるいは一軍定着する選手が何人出るか非常に注目だ。
文=岩下雄太