突然だが、こちらの画像をご覧いただきたい。


あっ(画像はすし(@sushi514)さんから)

ルーターとLANケーブル、そしてペンチなどの工具が散らばっている。

――何が起きたのだろうか。ピンセットやペンチは机上に無造作に置かれ、作業途中のようだ。

写真は、どちらもツイッターユーザーのすしさんが2020年11月16日に投稿したもの。

「爪の折れないLANケーブルとは聞いていたが、俺の心を折っていいとは言ってないんだが」

と呟く投稿者。

通常、LANケーブルの先端にはラッチと呼ばれる「爪」が用意されている。ルーターなどの差込口にケーブルを固定させるためのものだが、不意に折れることがある。そのため、複数のメーカーが「ツメが折れない」などと謳うケーブルを販売している。

すしさんが投稿した画像を見ると、黒いLANケーブルに、「爪」は付いている。しかし「コネクタ」が、ルーターの青い差し込み口に取り残されてしまっている。

なんと、コネクタがちぎれてしまったのだ。かなり珍しい光景のようで、ツイッターには

「すげぇ折れ方したなこれw」
「この折れ方は新しい...」
「確かに、『爪』は折れてないですね」

といった反応が寄せられている。

コネクタを、ペンチで抜き取ろうとする投稿者。無事に救出することは、できたのだろうか。

小一時間の格闘を経て...

11月18日、Jタウンネットは投稿者のすしさんに詳しい話を聞いてみた。

LANケーブルのコネクタが、ちぎれてしまったのは16日のこと。Wi-Fiルーターをセットアップするためにケーブルを差した、すしさん。抜こうとしても、取れずに困ったという。

「ルーターが壊れそうな勢いで引っ張っても抜けず、かなり不安でした。そして、折れた端子を見ながら、まるでお婆ちゃんが大事にしていた花瓶を割ってしまい、唖然としたような子供のような気持ちになってしまいました」(すしさん)

すしさんが、使ったLANケーブルは「ほぼ新品のもの」だという。爪折れではなく、「コネクタ折れ」。原因を、こう推測する。

「LANケーブルそのものが不良品だったのでしょう。爪は関係ないです。なお、去年ぐらいに同型のLANケーブルを実家のスイッチにも挿して抜けなくなり、実家にあるのは諦めて挿しっぱなしにしてあります。完全に製品の不良です」


「怒り新党」と呟く、すしさん

すしさんは、あの手この手で、ルーターにささったコネクタの救出を試みた。

「にっちもさっちもいかないので、写真の通り何度もニッパーで破壊しながらコネクタの中身をくり抜いていきました。
1時間弱格闘して、最終的にLANケーブル上部の爪をマイナスドライバーでグイッと。テコで力を入れつつLANケーブルの下部に、かなり細いマイナスの精密ドライバーを差し込み、下から動かすと抜けました」

抜き取るにあたって、苦労した点を聞いてみると、

「察してください」

と口を閉ざしてしまった。ルーターの差込口は、傷ついてしまっている。通信などに、影響はないのだろうか。

「通信に異常はありません。しかし、ルーターや私の心に残った大きな傷跡が治ることはなさそうです」

小一時間に渡るコネクタの救出劇に幕が下りた。すしさんの心は傷ついたままのようだが...。