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2020年11月は、首都高や阪神高速、名古屋高速などで激しい渋滞が予想される大工事が相次ぎます。「Go Toトラベル」の本格化で交通量が増えているなかですが、11月は例年、こうした道路工事が多くなる傾向があるのです。

「Go Toトラベル」に水を差す? 道路工事の多さ

「Go Toトラベル」に東京都も追加され、人の動きも活発になった2020年10月は、高速道路の混雑も激化しました。10月28日(水)に定例会見を行ったNEXCO東日本によると、週末には30kmを超える渋滞も頻発しているとのこと。まさにゴールデンウイークのような状況が毎週のように起こっています。

 加えて11月は、局地的にさらに渋滞する可能性があります。というのも、通行止めをともなう大工事が各地で相次ぐからです。

 たとえば名古屋地区では、10月31日(土)から11月8日(日)までの日程で、名古屋高速C1都心環状線の一部を終日通行止めにするリフレッシュ工事が行われています。これが終わると9日(月)から29日(日)まで、名二環(名古屋第二環状道)名古屋IC〜名古屋西JCT間の集中工事が行われ、昼夜連続の車線規制やIC、JCTの夜間閉鎖、通行止めが発生します。


名古屋高速(上)も阪神高速も、「環状線」の通行止めをともなうリニューアル工事が11月に行われる(画像:名古屋高速道路公社/阪神高速道路)。

 大阪ではこの11月、「約20年ぶりの大工事」が控えています。11月10日(火)から20日(金)までの10日間、阪神高速1号環状線の一部通行止め工事が行われ、これに接続する12号守口線の一部区間はさらに27日(金)まで通行止めが続きます。環状線の通行止めは、阪神高速だけでなく、大阪の交通の心臓部を止めるといっても過言ではありません。

 首都高では、11月下旬に重要区間の工事規制が集中します。22日(日)には3号渋谷線(下り)の渋谷入口および大橋JCTの一部(3号線→C2)が24時間閉鎖され、渋谷〜大橋JCT間は1車線規制に。29日(日)は11号台場線(レインボーブリッジ)下り線の24時間通行止め、上り線の1車線規制が実施されます。

なぜ11月に重要工事が集中するのか

 首都高速道路によると、11月は例年、他の月に比べて道路工事が多くなるといいます。

「11月は台風シーズンが過ぎ、雪が降る前で気候が安定しています。また、年末の12月には交通量も増えるため、11月に工事が多くなるよう調整しています」(首都高速道路

 通行止めをともなうような大規模工事には、利用者への広報も含めた入念な準備が必要です。実施時期は気候リスクだけでなく、周辺で行われる大規模なイベントなどともバッティングしないよう調整して設定されますが、ある道路会社の担当者は、10月に大規模なリニューアル工事を設定し、台風で痛い目にあったことがあるといいます。

 2019年には、台風19号(令和元年東日本台風)が10月にやってきたことも記憶に新しいところでしょう。


東名高速 東京IC〜大井松田IC間のリニューアル工事も11月に実施される(2020年11月、乗りものニュース編集部撮影)。

 こうした工事にあたり、各社は迂回の検討、あるいはクルマ移動の自粛を呼び掛けています。迂回を促すため、特定の出入口・IC間で、いったん高速道路を降りて乗りなおしても、料金を同一とする「乗り継ぎ」の臨時的な設定なども行っています。

 阪神高速道路によると、特に通行止め区間の末端部に近い出入口付近では、一般道も激しい渋滞が予想されるそう。というのも、この先で通行止めになるのがわかっていても、「行けるところまで行こう」というクルマで混雑するためです。よって、早め早めの迂回が重要とのことです。