全国的に気温が35度を超える猛暑日が続き、天気予報ではその暑さが「災害級」とまでいわれている今年の夏。

毎日、気温の高さに体力を持っていかれ、ぐったりとしてしまっている人も多いだろう。

だが、この暑さにやられているのは人間だけではない。

ツイッターでは暑さの影響を受けてしまった自販機の貼り紙が話題となっている。


自販機も限界...?(画像はえすす。@ess_dayoさん提供、編集部で一部トリミング)

これは、ツイッターユーザーのえすす。(@ess_dayo)さんが2020年8月21日、

「自販機も大変だなって」

とコメントを添えて投稿した画像。

写っているのは高知県吾川郡にある道の駅「633美の里(むささびのさと)にある自販機に掲示されていた貼り紙だ。そこには

「『キンキンに冷えていない...』
と感じられるケースがございますが、
現在気温が異常に高いため、
自販機冷蔵性能の限界であり、
機能の異常ではございません。
ご了承の上、お買い求めください」

といった切実なコメントが書かれている。

あまりの暑さに、自販機も性能の限界を迎えてしまったようだ。

この貼り紙に対して、ツイッターでは

「最近ぬるめだなーと思ってたけどそういうことだったか...」
「自販機が気の毒になってきた」
「機械ですら降参する暑さ」

といった反応が寄せられている。

Jタウンネットが26日、投稿者のえすす。さんに話を聞いたところ、この自販機の貼り紙を見たのは21日のこと。

「貼り紙を見た時はまさか自動販売機の冷却すら限界になるほどの猛暑だとは思ってもなかったので、機械も悲鳴をあげるほどの危険な暑さだと改めて実感しました」

と当時を振り返った。

「屋外にあるので日差しをもろに...」

この貼り紙の詳細を聞くべく、Jタウンネットは28日、道の駅「633美の里」を取材し、店長兼駅長の尾崎(※崎はたつざき)立也さんに話を聞いた。

尾崎さんによれば、この貼り紙を掲示したのはツイッター上で話題になる数日前のこと。

「お客様から『自販機の飲み物が冷えていない』というご指摘を何度か頂いたので、掲示しました。最初は1台だけに掲示していたんですが、どれも同様だろうということでうちにある6台全てに掲示しました」

と話す。この貼り紙は尾崎さんが事務所で急遽作ったものだという。

「レジが混みあっているときなど、自販機についてのお問い合わせに対応できない場合もありましたので、事情を事前にお伝えさせていただく意図と、お客様に申し訳ないとの思いで、この貼り紙を掲示させて頂きました」

と、尾崎さん。このような貼り紙を掲示したのは今年が初めてだという。

自販機が冷蔵機能の限界を迎えてしまった原因については

「やはり、この暑さですね。この自販機は全て屋外に置いてあるものですので、日差しがもろに当たってしまうんです。
また、8月から利用してくださる方がとても増えました。そのため、自販機の回転率が上がったことも理由の一つとしては考えられると思います。
うちは高知県の中心地からは少し離れているのですが、それでもベンダーさんにはとても頻繁に補充しに来てくださっていたんですけど、それもなかなか追いつかなくて......」

と推測する。

尾崎さんは、一時間に一度のペースで空きペットボトルを回収しないと、備え付けの回収ボックスから溢れてしまっていた、とも話しており、いかに自販機が利用されていたか分かる。

この貼り紙だが、一時は6台全てに貼られていたものの、22日ごろから暑さが少し和らいできたこともあり、現在は1枚だけ掲示しているそう。

「ツイッターでも話題にしていただいて、せっかくなので残しておいてます」(尾崎さん)

例年、道の駅「633美の里」でも9月中旬ごろまでは暑さが続くそう。

話題となった貼り紙についてもその頃までは、掲示していく予定とのことだった。