私たちに身近な調理器具の中には、オーブンにグリル・レンジ機能が完備した万能のタイプもあります。ところが、グリル機能もオーブン機能もほとんど使用しないまま、レンジの温め機能のだけ使う方も多いようです。知っておくととても便利なグリルとオーブン。
今回は、そんなグリルとオーブンを分かりやすく紹介します。

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■グリルとオーブンの違いとは

グリルとオーブン、料理に詳しい方はその違いを詳しく理解されていると思います。しかし、グリルは「グリル〇〇」などの店名としてのなじみが深く、オーブンはピザを温めるときに使う程度の理解の方も多いようです。

グリルもオーブンも調理器具として上手に使えば、洋食だけでなく、和食のレパートリーも大きく広がります。そんな、グリルとオーブン、違いがわかっているようでも、説明するとなると、疑問が出てくる部分ばかりです。まず、グリルとオーブンの違いから説明します。

・グリルの特徴

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グリルといえば、ガスレンジの魚焼き用のグリルを思い出しますが、端的にいえば、それが典型です。ガスレンジのグリルは、上部から強力な炎で焼き網にセットした魚などを焼きますよね。「grill」の意味は肉や魚などを直火で焼く、網焼きにする、などの意味ですので、「焼く」行為にあたります。

ガスレンジに備え付けてあるグリルは、魚を焼く印象が強いのですが、ステーキも焼けます。比較的肉厚が薄いものや、熱ですぐに溶けるものを調理するときに適した調理器具です。

・オーブンの特徴

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オーブン(oven)は、すでに日本語になっていますが、天火とも言います。オーブンは、同じ温度で複数面から熱を加えて、ケース内を一定時間、ほぼ同じ温度に保ち、食材を焼き続けることができます。庫内のどこもほぼ同じ温度になるので、グラタンやピザやケーキやクッキーなどの調理に適しています。

・最も違うのは『焼き方』

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グリルとオーブンの焼き方の違いは、焼き方にありますう。グリルの火力は、ガスなどの燃料が燃焼するものであり、食材を上部の片面もしくは上下両面から焼きます。一方、オーブンは庫内を一定の高温に保って、食材を四方から高熱で焼きます。オーブンは食材全体に、ほぼ均一に熱を与えることができて、分厚い肉の塊も焼くことができます。

・グリルとオーブン熱の伝わり方が異なる!

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一般的な料理では、熱を加えて食材を調理しますよね。熱の加わり方には3種類があります。「伝導」「対流」「放射」の3種類です。

伝導とは、物質を通して熱が伝わることです。たとえば、フライパンを使って焼いたり炒めたりできるのは、熱伝導によるものです。フライパンを経由してガスコンロなどの熱が食材に伝わり、料理が熱せられます。

グリルは対流と放射です。グリルには片面焼きと両面焼きがありますが、どちらの方法でも炎の高熱が直火として放射されます。同時に、高熱となったグリル内の空気に対流が起こります。直火があたる部分は高熱なので、表面が焦げやすいですが、中身はじっくり焼けます。

オーブンは、四方からの対流熱でケース内の温度を上げて空気を高温にし、食材を四方から高温で熱して焼き上げます。

■グリルとオーブンの違いを活かしたおすすめの調理

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グリルもオーブンもそれぞれにメリットがあります。また、グリルとオーブンに適した料理もあります。グリルとオーブンの相違点を理解し、それぞれの利点を把握して使うことでおいしい料理ができますよ。そんな、グリルとオーブンの上手な使い方を紹介します。

・焼き魚はグリル

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グリルは、薄い肉や魚などを調理するときに向いています。また、温度設定をする必要がなく、使い始めるとすぐに熱を持つのも特徴です。調理に手間がかかりがちな肉や魚を、短時間でサッと焼き上げることができるのは助かりますね。

焼き魚用のグリルは、ほとんどのガスコンロに組み込まれています。ガスコンロのグリルは容積も小さく、ケース内の温度がすぐに上昇するメリットがあります。

ガスコンロのグリルは片面焼きのグリルでも約330度の高熱になります。魚のような水分が多い食材も短時間で焼きあがります。

・魚焼きグリルはとても便利

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ガスコンロに組み込まれたグリルは、魚焼きグリルと呼ばれていますが、魚焼きだけに使うのではなく、もっとほかにも便利な使い方があります。グリルの直火のメリットを活かした使い方です。

たとえば、魚焼きグリルでトーストも焼けるのです。火力が強いだけ、パンの外側はカリッと焼け、中はふっくらのまま仕上がります。

これを応用し、ピザトーストもできます。パンにハムや野菜やピザ用チーズをのせて、魚焼きグリルへセットして焼けば、すぐにピザトーストができあがります。

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また、野菜の調理法と言えば、生のサラダばかりではありませんよね。野菜は焼いてもおいしいのです。アスパラもミニトマトもピーマンも、パプリカだって焼いておいしくいただけます。旬の時期のタケノコもおすすめです。そんな野菜も手軽に魚焼きグリルで焼くことができます。

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焼くとおいしい「焼きいも」も魚焼きグリルでおいしく焼くことができます。 アルミホイルに包んでじっくり焼き、余熱で温めておくと石焼き芋に負けない味に焼けます。

さらに、最近人気になっているグリルの使い方をご存知でしょうか。特殊なプレートを使いますが、鶏のから揚げやエビフライを油で揚げることなく、魚焼きグリルで焼く調理方法です。ヘルシーな揚げ物になりますよ。

・ローストビーフはオーブン

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オーブンでじっくりと焼くローストビーフは、まさにオーブン向きの料理です。あまり高温にせず、180℃でじっくりと焼きましょう。ジューシーなまま中まで火が通ります。中はほんのり赤身が残り、外側はきれいな焼き上がりになります。

・『グラタン』はどっち?

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グラタンと言えば、オーブンで焼くイメージが強いですよね。しかし、魚焼きグリルでもグラタンができます。こんがり焼き色がついたグラタンは見た目からも食欲がわいてきます。グラタンは魚焼きグリルに入れるまでに、具材に火が通っています。なので、魚焼きグリルではグラタンに焼き色をつけるだけ。魚焼きグリルで中火で5分ほど焼くと、こんがりきつね色になります。

・水なし魚焼きグリルもある!

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ガスレンジの魚焼きグリルは、トレイに水を入れるタイプが大部分ですが、無水タイプのガスレンジ用魚焼きグリルもあります。

無水タイプは両面焼きで、料理のスピードは早く、おいしく焼きあがります。両面焼きグリルで調理時間が短く、魚を裏返すこともありません。無水タイプは火力も強く、焼き時間が短く、魚の生臭さも飛んでいきます。

通常のガスレンジでは、水を入れないと火災が発生することもあります。トレイに水がないと異常に加熱しますので、水の量にも十分気をつけましょう。

■グリルやオーブンの注意点の違い

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グリルの種類の中では、ガス仕様の加熱方法が大半です。ガスをエネルギー源とするグリルは火を使います。
一方、最近のオーブンは電気オーブンが多くなっています。電気オーブンはヒーター管が熱源です。そのような構造上の違いがあります。この二つの違いからわかる、それぞれの注意点を調べてみましょう。

・グリルは中まで十分加熱できない

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ガスグリルはすぐに温度が上がり、300℃以上になります。そのために、食材の外部が早く焼けることがあり、表面が焼けていると中身も焼けていると判断し、焼くのを終わらせることがあります。このように、焦げるのを避けることで中身が十分に加熱していないケースがあるでしょう。

そうならないように、火力や焼き時間を調節すると中までほどよく加熱することができます。

・オーブンは表面が焦げることも

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オーブン調理では、30分や60分など、使用する時間が比較的長めです。そのために、レシピ通りに調理して、オーブンにセットしても、温度が設定よりも高くなることもあります。

また、オーブン個体のクセもあって、実際の温度が設定よりも高くなることもあります。そのような要因で表面が焦げることもあり、使用するオーブンの傾向を理解しておきましょう。

・対応している皿かどうかチェック

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グリルにしろオーブンにしろ、購入したときに専用のプレートなど、その機種で使用する部品が用意されています。自己判断で市販のプレートなどを使用すると、料理のできあがりが思うようにならないこともあり、レンジやオーブンの事故になる場合もあります。気をつけましょう。

市販のプレートを使用するときは対応機種を確認して、対応温度もチェックしておきましょう。触れないほど熱を持つこともありますので、取扱説明書をよく読みましょう。使用法を守らなければ、割れてしまうこともあります。

■グリルやオーブン以外の機能満載の調理器具の違い

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最近の調理器具は著しい進歩があり、1台の調理器具で電子レンジにグリル、オーブン、スチーマーなどの機能があり、オーブンだ、レンジだ、などとはっきりと区分できない器具が増えています。

そんな中で、昭和の時代から家庭にあった、歴史がある調理家電もあります。そんな歴史ある調理器具について紹介します。

・電子レンジ

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調理家電の主役ともいえるのが電子レンジです。普及し始めた頃は温め機能が主で、冷めた料理が短時間で手軽に暖まり重宝していました。温め終わるとタイマー機能により「チン」と音がして、出来上がったことを知らせているものが主流でしたね。今でも電子レンジで温めることは「チンする」で通用します。

最近の電子レンジには、さまざまな機能が備わっているものも多いです。オーブンレンジ、スチームオーブンレンジなどハイスペックな機種が多く、使いこなすことで料理の幅は大きく広がります。

・トースター

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トースターは、調理家電としては電気釜と並ぶほど歴史があります。一度に2枚の食パンが焼けるポップアップ型のトースターが知られていますよね。これは、高温になったヒーターのおかげで、短時間でパンが焼けます。焼き加減の調節もでき、焼けるとパンが飛び上がるのが特徴で、子どもさんには人気でした。あくまで、食パンを焼くことに特化した調理家電です。

・オーブントースター

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オーブントースターは、前面が開き戸となっているボックス型が多く、内部に食パン2枚が置ける棚があって、ケースの上下に電熱器が設置されています。棚にパンやグラタンなどを置いて、上下から加熱して焼きます。タイマーを兼ねたスイッチで、焼き加減の調節ができるでしょう。手軽に食べ物を温めたり焼くことができます。

■グリルもオーブンも上手に使っておいしい料理を!

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グリルもオーブンも機能が進化しています。上手に使うことで料理の種類は増え、料理の幅も広がるでしょう。一般家庭でも、お菓子が手軽に作れるようになりましたね。うまく利用すればプロの味になる食材セットも増えています。

グリルやオーブンを上手に使えば、調理時間も短縮されます。調理器具の進歩で、たくさんのおいしい時短レシピも登場しました。グリルやオーブンを上手に使っておいしい料理を楽しみましょう!