岡江久美子さん

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 またしても芸能人が新型コロナウイルスに命を奪われた。

【写真】1983年、大和田獏と岡江久美子さんのグアム挙式

「4月23日に岡江久美子さんがコロナによる肺炎で亡くなりました。4月3日に発熱して自宅で療養していましたが、6日の朝に容体が急変。都内の大学病院に入院しましたが、完治には至りませんでした」(スポーツ紙記者)

健康には人一倍、気を遣っていた

 これまで公表していなかったが、乳がんを患っていた。

「昨年末に手術を受け、今年1月末から2月中旬まで放射線治療を受けていました。今回の感染の重症化は、乳がん治療と関係していると報じられています」(同・スポーツ紙記者)

 岡江さんは'75年のドラマ『お美津』(TBS系)のヒロインとして女優デビューした。

「'91年から'99年までTBS系のドラマ『天までとどけ』で演じた大家族の母親役で女優としての評価を確立。'96年から'14年までの17年半にわたって出演した生活情報番組『はなまるマーケット』で、薬丸裕英さんと総合司会を務めました。私生活では、'83年に大和田獏さんと結婚。長女の美帆さんと家族で幸せに暮らしていましたよ」(同・スポーツ紙記者)

 還暦を迎えても、体調を崩すことはなかった。

「ヨガやボクササイズなどの運動を欠かさず、足腰が弱らないように階段を使っていました。健康には人一倍、気を遣っていたんですけどね……」(テレビ局関係者)

『はなまる』が終わってからは、仕事をセーブしていた。

「1か月に2〜3本程度でした。特に、今年はコロナの影響でテレビの収録が中止になることも多かったので、ほとんど仕事はしていなかったと思います。日ごろからきちんとマスクをつけて、対策も徹底していましたよ」(同・テレビ局関係者)

 岡江さんは20年以上、都内の閑静な住宅街にある一軒家で暮らしていた。

 最近は、どんな生活をしていたのだろうか。

3月の3連休の外出で感染か

「昨年までは、ご夫婦で散歩しているところをよく見かけましたが、今年に入ってからは1度も見ませんでした。コロナが流行っていたので、外出を控えていたのでは」(近隣住民)

 それでも、たまに食事に出かけることはあったようだ。

「3月初旬に、数人のお友達と一緒に来ました。お元気そうで、“コロナには気をつけましょう”と話していましたよ」(駅前の居酒屋店主)

 20年近く通った寿司店でも、特に体調を崩しているようには見えなかったという。

「月に1回くらい、ご夫婦で来ていました。最後に来られたのは2月下旬でした。決まって、おまかせの握りと日本酒を頼んでいましたね。日本酒は夫婦で最低でも1合は頼み、ときにはひとりで3合空けるほどお酒が好きでした。でも、最後にいらしたときは、1合しか飲んでいませんでしたね……」(寿司店の店主)

 ときどき外食に行くことはあったが、不要な外出はしていなかった。なぜ感染してしまったのだろうか。実は、岡江さんの生死を分けたといっても過言ではない“ある日”の行動があって……。

「3月20日から22日までの3連休に、娘さんとお孫さんの3人で、亡くなったお母さんのお墓参りに行ったそうです。彼女が発熱したのは4月3日。コロナの潜伏期間は約2週間といわれているので、断定はできませんが、このときの外出で感染した可能性もあります」(岡江さんの知人)

 このころは、世間でもまだコロナに対する危機感が薄かった。

「この連休で多くの人が外出したことで、感染者数が爆発的に増えるきっかけに。普段は外出を控えていた岡江さんも、この3日間で運命が変わってしまったのかもしれません」(同・岡江さんの知人)

岡江さんの心残り

 不幸にもコロナに感染してしまった岡江さん。重症化したのは、やはり乳がんが関係しているのだろうか。

 感染症専門医で東京・品川区の『KARADA内科クリニック』の佐藤昭裕院長に話を聞いた。

「がん自体が、免疫力が低下する病気なんです。乳がんの放射線治療は肺に影響を及ぼすことがあります。肺は胸の後ろにありますから。岡江さんの場合、治療で肺にダメージを受けていたことが免疫低下につながった可能性もあります」

 年齢も、重症化の要因になりうるという。

「高齢者は感染症が重症化しやすい傾向にあります。コロナも同じで、中国のデータだと50代以降で死亡する確率が高くなっています。コロナで亡くなる人は男性のほうが多いですが、女性の中でもがんの方や血圧が高い方、糖尿病の方など、免疫力が低下している方は重症化するリスクが高いので、注意が必要です」(佐藤院長)

 何が引き金になるかわからないところに、改めてコロナの恐ろしさを実感する。

 亡くなった岡江さんには、心残りなことがあった。出演していたドラマ『天までとどけ』の“家族”との集まりに参加できなかったことだ。

「父親役の綿引勝彦さんと母親役の岡江さん、8男5女の子どもが織りなす大家族のホームドラマ。放送が終わって20年以上がたちますが、子どもたちは今でも年に1回は集まっているんですよ。しかし岡江さんと綿引さんはその集まりに参加していなかったそうです」(TBS関係者)

 週刊女性は'17年に、長女役の若林志穂だけが同窓会に呼ばれていなかったことについて報じたが、どうやらそのことを気に病んでいたようだ。

「彼女は、“子どもたちが全員そろったら顔を出したいから、声をかけてほしい”と話していました。若林さんのことは実の娘のように可愛がっていたので、子どもたちみんなの元気な顔を見たかったのでしょう。“同窓会”に行けなかったことを残念に思っているのではないでしょうか」(同・TBS関係者)

 かつての仲間全員が集まることを望んでいた岡江さん。彼女の思いはきっと“家族まで”届くに違いない。