ソニーが次世代ゲーム機「プレイステーション 5(PS5)」の生産量を絞るとBloombergが報じました。生産量を絞ることによる需要の高まりを抑えるため、「PS5の価格が予定よりも高く設定される」可能性もあるとのことです。

Sony Is Said to Limit PlayStation 5 Output in Its First Year - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-04-16/sony-is-said-to-plan-limited-playstation-5-output-in-first-year



Report: Sony making fewer PS5s, ‘struggling’ with price - Polygon

https://www.polygon.com/2020/4/16/21223516/ps5-launch-numbers-price-availability-playstation-5-sony

PS5 release plans, stock, and price have all been reportedly affected by COVID-19 | GamesRadar+

https://www.gamesradar.com/ps5-release-plans-stock-and-price-have-all-been-reportedly-affected-by-covid-19/

BloombergがPS5のサプライチェーン関係者から得た情報によると、ソニーはサプライチェーン関連企業に対して、2021年3月までにPS5を500万〜600万台製造する予定と伝えているとのこと。なお、PS5は2020年の年末商戦での発売が予定されており、PS4は最初の四半期での販売台数が750万台であったため、「PS5は初期出荷台数を絞っている」と報じられているわけです。

また、この件に詳しい情報筋の話として、ソニーは「PS5の供給を制限することと、PS5の発売と同時にPS4とPS4 Proの価格を引き下げることで、消費者の目がPS4に向くようにし、PlayStation PlusとPlayStation Nowの新規加入者を拡大する」という計画を持っているとBloombergは言及。この計画の背景には、「ハードウェアで利益を上げるよりも、サブスクリプションサービスで経常収益を増やす」という戦略があると解説しました。



PS5の初期出荷台数の制限について、Bloombergは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックはPS5の生産能力に影響を与えていない」と報道。しかし、Bloombergは「部品のコストが上昇している」と指摘し、2020年2月17日に同社が報じた「PS5の販売価格は450ドル(約4万8000円)になる」という予測を、「499ドル(約5万4000円)から549ドル(約5万9000円)になる」と上方修正しました。

PS5は「2020年の年末商戦期に発売予定」と公式に発表されており、Bloombergも「2020年の年末商戦期から遅れるという可能性は低い」と言及。MicrosoftもPS5の競合機である「Xbox Series X」を2020年の年末商戦期に導入予定であることに触れ、ソニーとMicrosoftの争いがPS5とXbox Series Xの発売日と価格に影響を与える可能性があると指摘。「PS5とXbox Series Xが原価を割る価格である450ドル(約4万8000円)で発売される可能性はまだある」と報じています。



by Gage Skidmore

また、COVID-19がPS5の製造に与えた影響に関して、Bloombergは「渡航制限によりエンジニアが中国に移動して最終調整を指示することはできなかったが、すでに問題は解消されている」とコメント。関係者によると、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの社長兼CEOであるジム・ライアン氏は「全世界同時発売されるべきだ」と強調しているそうです。

また、ゲーム&ネットワークサービス分野に対するCOVID-19の影響として、ソニーは「今年度における事業への影響は軽微となる見込み」「欧米を中心に自社スタジオ及びパートナー各社様のゲームソフトウェア開発スケジュールに遅れが発生するリスクについては注意深く状況を見守っています」と公式に発表しており、ハードウェア開発よりもソフトウェア開発に影響が出ていることを示唆しています。

なお、Bloombergによると、ソニーの広報担当者はコメントを控えているとのことです。