映画『劇場』の完成記念イベントに出席した山崎賢人

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 俳優の山崎賢人(崎はたつさき)が25日、丸の内ピカデリーにて行われた映画『劇場』の完成記念イベントに出席。この日、映画『パラサイト 半地下の家族』などのポン・ジュノ監督から称賛のコメントが届けられると、山崎は「嬉しいです」と破顔した。イベントには松岡茉優、寛 一 郎、行定勲監督、原作者の又吉直樹も参加した。

 お笑い芸人で芥川賞作家の又吉による同名小説を映画化した本作。劇作家を目指す永田(山崎)と、彼を必死で支えようとする沙希(松岡)の恋愛模様が描かれる。

 この日のイベントは、新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い、無観客で行われた。普段と異なりキャストたちが客席に座ってトークを実施することに。山崎は「本当はたくさんの方に完成した作品を観ていただきたかったのですが」と寂しそうな表情を浮かべつつ、一方で「こんな経験はできない」と気持ちを前に向けていた。

 その山崎は劇中で、これまで見たことのないような憂いや苦悩の表情を表現している。山崎は「原作を読ませていただいたとき、絶対に永田という役をやりたい」と強く思ったことを明かして「永田の人間としてのダメさ、弱さ、愚かさに共感しました」と惹かれた理由を説明する。

 また、この日は以前から行定監督と親交の深いジュノ監督から、作品へのメッセージが届く。行定監督には「青春期の男女の繊細な感情の調律師である、行定監督ならではの熟練した力量を再確認させてくれる作品でした」とコメントが寄せられ、山崎には「山崎賢人さんは不確かな天才から醸し出される不安、不確かな天才に向けて沸き起こる憐憫、そのすべてを可能にしました」と称賛の言葉が送られた。

 山崎はこの言葉に「嬉しいですね」と喜びつつ「この映画は観終わったあとに大切な人を絶対思い浮かべる映画になっていると思います。生きていくなかで、うまくいかないことはたくさんありますが、信じて行動したことは、最後にはいい方向に向かっていくというメッセージが詰まっています」と力強く語った。(磯部正和)

映画『劇場』は4月17日より全国公開