あるデータによると中国の胃がん生存率はわずか20%とのことだ。一方、隣国の日本はというと胃がんの5年生存率は80%で、中国の4倍である。なぜこれほどの違いがあるのか?(イメージ写真提供:123RF)

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 世界中の胃がん患者の半数以上が中国人とのデータもあるくらい中国では胃がんの罹患率が高い。しかも、あるデータによると中国の胃がん生存率はわずか20%とのことだ。一方、隣国の日本はというと胃がんの5年生存率は80%で、中国の4倍である。なぜこれほどの違いがあるのか? 中国メディア漫説健康がこの点ついて分析している。

 日本には、中国より優れた医療機器があるからなのだろうか? 中国メディアはその点を否定し、中国でも現在は医療機器や検査機器がそろってきており、医療機器の違いで生存率に違いがでているのではないと指摘している。

 その原因とは、「中国人が胃がんを放置しがち」ということ。胃部に不快感があっても、胃薬や漢方などで症状を抑えて検査を受けることさえしない。そのため早期発見の機会を見逃し、胃がん初期症状も放置し続け、多くの患者が診断されるときには胃がんの中期から末期の場合がとても多い。そのため治癒率がとても低く、胃がん生存率はわずか20%となってしまうのだ。つまり、「早期検査、早期治療」を心がけているどうかの違いのようだ。中国ではまだまだ「がん」は不治の病というイメージが根強いため、検査が遅れてしまうようだ。

 例えば、かつて日本の胃がんの死亡率は世界一だった。しかし、60〜70年代にかけて胃がん検診が普及し、40歳以上の人に集団検診の項目の中に胃がん検診が含まれるようになった。その結果、毎年1500万件以上の胃カメラ検査が実施されるようになっている。これは日本人口の1/8もの人数である。一方、韓国も1999年から全国的に胃がん検診プログラムを導入し、40歳以上の人を対象に毎年胃がん検診を行ってきた。その結果2009年には胃がん検査を受ける人が56.9%に達した。

 もちろん、早期胃がんと進行性胃がんとは治療方法が異なる。アメリカがん協会のデータによると、早初期胃がんの五年生存率は約71%であるのに対し、末期胃がんの場合は約4%ほどだとしている。

 国を挙げて胃がんの早期発見に取り組むことで、多くのリスクを回避することができるだろう。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)