ドアノブやボタンは手のひらで押す、医師も実践する「風邪」対策

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毎日家事をこなさなければならない主婦たちは、風邪をひいたからといって休むことはできない。

「私は医師になって31年になりますが、これまで一度も体調不良で休んだことはありません。体調不良を訴えて訪れる患者さんと毎日接していて、人よりも何十倍も風邪をひきやすい環境にいるので、体調管理に気を配っています」

そう語るのは、池袋大谷クリニックの大谷義夫院長。

体調管理には3つの柱があり、マスクや手洗い、うがいなど「風邪・インフルエンザ」の予防を徹底し、食事など生活習慣を整えて基礎体力をつける、不調のもとになる睡眠不足や運動不足を解消することが基本。しかし、科学的に証明された予防法の論文からは、これまで常識と思われていた風邪の予防法がじつは“非常識”だったことがわかったという。

そこで、大谷院長が実践している風邪にならない新生活習慣を教えてもらった。

【1】ドアノブやエレベーターのボタンを押すときに指は使わない

「アメリカのミネソタ大学の研究によりますと、金属やプラスチックなど、表面がなめらかなところについたインフルエンザウイルスは、24〜48時間生存し、衣服や紙、繊維についたウイルスは8時間しか生存できないという結果が出ました。ウイルスが付着している可能性があるエレベーターのボタンは指の腹ではなくこぶしの先で押すようにして、ドアノブは手のひらで回しましょう」

不特定多数の人が触ったものはなるべく触らないように。

【2】洗面所にはペーパータオル

「手洗いは風邪・インフルエンザ予防の基本です。石けんを泡立てて手のひら、甲、指の間、爪の先、手首を30秒以上かけてしっかり洗いましょう」

家族で使い回したタオルで手を拭くより、ペーパータオルのほうが衛生的。外出先では、風が出て手を乾かすハンドドライヤーが設置してあるが、こちらもペーパータオルのほうが衛生的。ポケットティッシュを持参して、手を拭くようにしよう。

【3】ビタミンCよりビタミンDを取る

風邪をひいたらビタミンCを取るといいといわれているが、じつは青魚などの魚介類やキノコ類に含まれるビタミンDを意識して食べるといいという。

「散歩をして日光を浴びますと、体内でビタミンDが生成されて、骨粗しょう症の予防になるといわれていますが、風邪・インフルエンザや呼吸器感染症、肺炎などの予防にも効果があるというデータがあります」

10〜15分歩くだけで健康効果が得られる。

【4】手のひらを直接日光にあてる

散歩するとき日焼けが気になるという人は、手のひらに日光をあてるだけでも、ビタミンDを生成する効果がある。

「手のひらは体のほかの部位に比べると、メラニン色素が少ないので、日焼けリスクが低いのです。部屋の中から、外に手を出してみましょう」

【5】緑茶でウイルスを流し込む

大谷院長はインフルエンザが流行する時期、診察中にこまめに緑茶を飲んでいるという。

「緑茶のポリフェノールであるカテキンは、インフルエンザの感染リスクを下げるというデータがあります。私は10〜15分に1回、少量ですが緑茶を飲み、喉についたウイルスを胃に流します。そうすると胃液でウイルスが死にます」

どの項目も手軽にできるものばかり。さっそくトライしてみよう。

「女性自身」2020年2月11日号 掲載