スマートフォンでカッコイイ写真を撮る方法 - プロが教えるHUAWEI nova 5Tで作品撮りの極意を学ぶ
スマートフォンのイノベーションが一通り落ち着いたように思えるが、そんな状況下でもマーケットはまだ死んではない。今や、スマートフォンのハイエンドモデルは家庭用ゲーム機に匹敵するグラフィックス表現が可能となっている。
そこで、その性能を引き出すことに特化させ、さらにタッチセンサーの性能向上など、入出力環境を最適化したプロダクトとして「ゲーミングスマートフォン」と言うジャンルが生まれた。
近年のスマートフォンは、各社パーツがほぼ共通という状況が続き、スマートフォンの差別化、個性化が希薄になりつつあった。しかし昨年あたりからゲーミングスマートフォンが登場したことで、新たな市場への製品訴求が狙いだ。
新カテゴリーのゲーミングスマートフォン以外の、従来のスマートフォンの訴求ポイントは、依然としてデザイン、ディスプレイ、そしてカメラを重要視する傾向にある。ユーザー側もその方がわかりやすいからだ。
特に最近のスマートフォンのカメラ機能は、ハードウェアよりも、ソフトウェア部分が重要視されており、ハイダナミックレンジや夜景撮影、望遠撮影など、イメージセンサーや光学レンズなどのハードウェアだけでは実現できない機能をソフトウェアで実現している。
スマートフォンのカメラ機能は、高性能レンズ+イメージセンサーだけではなく、AIシーン認識とライカの画質の再現など最先端のソフトウェア技術が寄り集まっている
従来は、色再現や解像感など、デジタルカメラの技術をスマートフォンに落とし込むというアプローチであった。しかし、ここ数年で、こうした技術だけでは個性化を生み出すことが難しくなったといえる。
そこでAIによるシーン認識や、高度な手ブレ補正、手持ち夜景撮影、背景ボカし、デジタル超望遠ズームといった、ソフトウェアによる高度な機能を搭載し、誰でも簡単に高画質でプロのような写真が撮れることが訴求ポイントとなった。
今回は、ハイエンドモデルのスペックをミドルレンジのスマートフォンに採用したファーウェイ製「HUAWEI nova 5T」(以下、nova 5T)のカメラについて紹介したいと思う。
nova 5Tはフラグシップモデルの「HUAWEI P30 Pro」や「HUAWEI Mate 20 Pro」と同じハイエンド向けの「Kirin 980」プロセッサーを搭載する。
メインメモリーはハイエンドスマートフォンに匹敵する大容量8GB RAM、128GBの内蔵ストレージを搭載しつつ、フラグシップモデルよりも40,000円ほど安い税込で59,950円(税込)と言う価格設定である。
カメラは、アウトカメラ(背面)には約1600万画素の超広角カメラ、約4800万画素のメインカメラ、約200万画素の被写界深度測定カメラ、そして約200万画素のマクロカメラの4つのカメラを搭載する。インカメラ(前面)は約3200万画素の高画素カメラだ。
この最新のハードウェアとソフトウェアを搭載するnova 5Tの発売に合わせて、ファーウェイは昨年11月メディア向けの写真セミナーを開催した。
講師を務めたのは写真家の内田ユキオ氏。内田氏は2018年、ライカと協業でライカ画質を実現した「HUAWEI P20 Pro」の魅力について解説した際に、写真家としての目線でP20 Proの魅力を語るなど、スマートフォンのカメラと真摯に向き合っている印象を受けた。
今回のnova 5Tはライカ画質ではないが、豊かな色表現や撮影の自由度など、ファーウェイのフラグシップモデルに匹敵するカメラ機能を引き出すためのテクニックを披露した。
セミナー開催時は紅葉シーズンと言うこともあり、スマートフォンで紅葉を綺麗に撮影する方法として、構図とホワイトバランス、そして露出(明るさ)について解説があった。その意図は、写真家の目線で作品としての写真の撮り方を教えるという、一つステップアップした写真を撮るにあたって、ためになるテーマである。
色づいた葉をただ撮っただけでも、スマートフォンのカメラ機能で綺麗な写真に仕上がるが、印象が薄い記念写真となってしまう。
内田氏は、紅葉撮影のテクニックとして、赤い葉と青空との対比でより印象深くする方法、逆光で光りを透かして葉の色を綺麗に見せる方法などを紹介。被写体が綺麗だから撮るのではなく、その被写体がより綺麗で魅力的に、そして印象的に見せるための方法を自ら動き、ポイントとなる要素を探して撮影することが、記念写真からの脱却であると言うことを解説した。
AIによるシーン認識で、紅葉や花、風景など最適な写真に仕上がるのが、最近のスマートフォンの特徴であるが、内田氏はカメラの基本としてホワイトバランスを変えて撮ることで、より印象的に仕上がることを解説する。
ホワイトバランスとは、太陽光や、屋内の蛍光灯の下、電球の下など様々な光源の下でも白いものを白く写すための補正機能である。ホワイトバランスの調整が正確ではない場合、電球の明かりの下で白いものを撮影すると黄色みが強く写ってしまう。この電球独特の黄色みをなくすために全体に青を加えて補正するのがホワイトバランスの機能である。
基本的には、オートのままでも良いのだが、うまく色が補正されない場合は光源に合わせて、電球や太陽光などを選んで補正を行うのが通常の撮影テクニックである。
内田氏は、このホワイトバランスの機能を被写体の色を強調するためのテクニックとして紹介した。
例えば、紅葉の紅を強調したい場合、ホワイトバランスを蛍光灯にすることで赤系のマゼンタがより強く出ることを作例で紹介。
また、ホワイトバランスを曇天にすることで、温かみのある色合いに仕上げることができるので、イチョウなど黄色を印象的にすることができることを紹介した。
この日は、実際に紅葉の撮影とモデル撮影も行い、nova 5Tを使ってそのテクニックを実践する機会があった。
オート撮影では強調できない色合いを、ホワイトバランスの変更で印象的な写真に仕上げることができた。あとは、内田氏の教えの通り、よりよく見える構図を探すこと、そして露出を調整し、より色濃く見せるなら露出を下げ、明るく爽やかに見せるなら露出を上げるなどして撮影する。
ホワイトバランスが晴天の場合は、肉眼で見る色合いに近い
ホワイトバランスを曇天にすると、黄色と赤みが強調され、紅葉らしい写真に仕上がった
晴れた日であれば青空との対比で赤や黄色が映える写真となるだろう。AIシーン認識「紅葉」で撮影
人物撮影についても、内田氏はただ背景をバックに撮るのではなく、そこにあるものを使って印象的な対比や人物を引き立てる構図を探すなど、写真家の目線で作品作りのための撮影方法を解説した。
ただ漠然と撮影しても、写真の良さは伝わらない
同じ場所でも、自分が動いて被写体が綺麗に見えるポイントを探すだけで、写真の印象が大きく変わる
超広角レンズ独特のパース感は、写真表現として利用すると効果的だ
撮影する瞬間なにかを感じたとしても、後から見返すと何を撮りたかったのかわからないものがある
同じ場所でも、見方を変えるだけで印象が変わる
雨上がりだからこそ撮れた一枚。nova 5Tは、近接撮影に強いマクロカメラを搭載している
真っ暗な洞窟でも、F1.8のレンズとISO2500の高感度撮影で、イメージ通りの写真に仕上げることができた
陽が落ちてシャッタースピードが遅くなったことを利用して、nova 5Tを回転させながら超広角レンズで撮影。動きかが少ない中心部は止まって見えるのが面白い
夜景モードなら明るい所から暗いところまでしっかりと撮影できる。記念写真などにはちょうど良い
プロモードでホワイトバランスを調整し、あえて暗く撮影することで、見せたい色だけを浮かび上がらせることができた
スマートフォンのカメラ機能が進化して、簡単にデジカメ以上に綺麗に撮れるようになった。しかし、折角のカメラ機能も使い方法を知らないのは勿体ない話しである。
手軽に撮れるから手軽に写真を撮るのではなく、スマートフォンの優れたカメラ機能が撮影をアシストしてくれることを前提に、被写体を良く見て良い構図、良い色、良い露出を見つけて撮影すると、印象に残る写真を撮影することができる。
今回のセミナーでは、スマートフォンは作品撮りができるカメラに進化していると言うことを、改めて気付かされた良い機会であった。
執筆 mi2_303
そこで、その性能を引き出すことに特化させ、さらにタッチセンサーの性能向上など、入出力環境を最適化したプロダクトとして「ゲーミングスマートフォン」と言うジャンルが生まれた。
近年のスマートフォンは、各社パーツがほぼ共通という状況が続き、スマートフォンの差別化、個性化が希薄になりつつあった。しかし昨年あたりからゲーミングスマートフォンが登場したことで、新たな市場への製品訴求が狙いだ。
新カテゴリーのゲーミングスマートフォン以外の、従来のスマートフォンの訴求ポイントは、依然としてデザイン、ディスプレイ、そしてカメラを重要視する傾向にある。ユーザー側もその方がわかりやすいからだ。
特に最近のスマートフォンのカメラ機能は、ハードウェアよりも、ソフトウェア部分が重要視されており、ハイダナミックレンジや夜景撮影、望遠撮影など、イメージセンサーや光学レンズなどのハードウェアだけでは実現できない機能をソフトウェアで実現している。
スマートフォンのカメラ機能は、高性能レンズ+イメージセンサーだけではなく、AIシーン認識とライカの画質の再現など最先端のソフトウェア技術が寄り集まっている
従来は、色再現や解像感など、デジタルカメラの技術をスマートフォンに落とし込むというアプローチであった。しかし、ここ数年で、こうした技術だけでは個性化を生み出すことが難しくなったといえる。
そこでAIによるシーン認識や、高度な手ブレ補正、手持ち夜景撮影、背景ボカし、デジタル超望遠ズームといった、ソフトウェアによる高度な機能を搭載し、誰でも簡単に高画質でプロのような写真が撮れることが訴求ポイントとなった。
今回は、ハイエンドモデルのスペックをミドルレンジのスマートフォンに採用したファーウェイ製「HUAWEI nova 5T」(以下、nova 5T)のカメラについて紹介したいと思う。
nova 5Tはフラグシップモデルの「HUAWEI P30 Pro」や「HUAWEI Mate 20 Pro」と同じハイエンド向けの「Kirin 980」プロセッサーを搭載する。
メインメモリーはハイエンドスマートフォンに匹敵する大容量8GB RAM、128GBの内蔵ストレージを搭載しつつ、フラグシップモデルよりも40,000円ほど安い税込で59,950円(税込)と言う価格設定である。
カメラは、アウトカメラ(背面)には約1600万画素の超広角カメラ、約4800万画素のメインカメラ、約200万画素の被写界深度測定カメラ、そして約200万画素のマクロカメラの4つのカメラを搭載する。インカメラ(前面)は約3200万画素の高画素カメラだ。
この最新のハードウェアとソフトウェアを搭載するnova 5Tの発売に合わせて、ファーウェイは昨年11月メディア向けの写真セミナーを開催した。
講師を務めたのは写真家の内田ユキオ氏。内田氏は2018年、ライカと協業でライカ画質を実現した「HUAWEI P20 Pro」の魅力について解説した際に、写真家としての目線でP20 Proの魅力を語るなど、スマートフォンのカメラと真摯に向き合っている印象を受けた。
今回のnova 5Tはライカ画質ではないが、豊かな色表現や撮影の自由度など、ファーウェイのフラグシップモデルに匹敵するカメラ機能を引き出すためのテクニックを披露した。
セミナー開催時は紅葉シーズンと言うこともあり、スマートフォンで紅葉を綺麗に撮影する方法として、構図とホワイトバランス、そして露出(明るさ)について解説があった。その意図は、写真家の目線で作品としての写真の撮り方を教えるという、一つステップアップした写真を撮るにあたって、ためになるテーマである。
色づいた葉をただ撮っただけでも、スマートフォンのカメラ機能で綺麗な写真に仕上がるが、印象が薄い記念写真となってしまう。
内田氏は、紅葉撮影のテクニックとして、赤い葉と青空との対比でより印象深くする方法、逆光で光りを透かして葉の色を綺麗に見せる方法などを紹介。被写体が綺麗だから撮るのではなく、その被写体がより綺麗で魅力的に、そして印象的に見せるための方法を自ら動き、ポイントとなる要素を探して撮影することが、記念写真からの脱却であると言うことを解説した。
AIによるシーン認識で、紅葉や花、風景など最適な写真に仕上がるのが、最近のスマートフォンの特徴であるが、内田氏はカメラの基本としてホワイトバランスを変えて撮ることで、より印象的に仕上がることを解説する。
ホワイトバランスとは、太陽光や、屋内の蛍光灯の下、電球の下など様々な光源の下でも白いものを白く写すための補正機能である。ホワイトバランスの調整が正確ではない場合、電球の明かりの下で白いものを撮影すると黄色みが強く写ってしまう。この電球独特の黄色みをなくすために全体に青を加えて補正するのがホワイトバランスの機能である。
基本的には、オートのままでも良いのだが、うまく色が補正されない場合は光源に合わせて、電球や太陽光などを選んで補正を行うのが通常の撮影テクニックである。
内田氏は、このホワイトバランスの機能を被写体の色を強調するためのテクニックとして紹介した。
例えば、紅葉の紅を強調したい場合、ホワイトバランスを蛍光灯にすることで赤系のマゼンタがより強く出ることを作例で紹介。
また、ホワイトバランスを曇天にすることで、温かみのある色合いに仕上げることができるので、イチョウなど黄色を印象的にすることができることを紹介した。
この日は、実際に紅葉の撮影とモデル撮影も行い、nova 5Tを使ってそのテクニックを実践する機会があった。
オート撮影では強調できない色合いを、ホワイトバランスの変更で印象的な写真に仕上げることができた。あとは、内田氏の教えの通り、よりよく見える構図を探すこと、そして露出を調整し、より色濃く見せるなら露出を下げ、明るく爽やかに見せるなら露出を上げるなどして撮影する。
ホワイトバランスが晴天の場合は、肉眼で見る色合いに近い
ホワイトバランスを曇天にすると、黄色と赤みが強調され、紅葉らしい写真に仕上がった
晴れた日であれば青空との対比で赤や黄色が映える写真となるだろう。AIシーン認識「紅葉」で撮影
人物撮影についても、内田氏はただ背景をバックに撮るのではなく、そこにあるものを使って印象的な対比や人物を引き立てる構図を探すなど、写真家の目線で作品作りのための撮影方法を解説した。
ただ漠然と撮影しても、写真の良さは伝わらない
同じ場所でも、自分が動いて被写体が綺麗に見えるポイントを探すだけで、写真の印象が大きく変わる
超広角レンズ独特のパース感は、写真表現として利用すると効果的だ
撮影する瞬間なにかを感じたとしても、後から見返すと何を撮りたかったのかわからないものがある
同じ場所でも、見方を変えるだけで印象が変わる
雨上がりだからこそ撮れた一枚。nova 5Tは、近接撮影に強いマクロカメラを搭載している
真っ暗な洞窟でも、F1.8のレンズとISO2500の高感度撮影で、イメージ通りの写真に仕上げることができた
陽が落ちてシャッタースピードが遅くなったことを利用して、nova 5Tを回転させながら超広角レンズで撮影。動きかが少ない中心部は止まって見えるのが面白い
夜景モードなら明るい所から暗いところまでしっかりと撮影できる。記念写真などにはちょうど良い
プロモードでホワイトバランスを調整し、あえて暗く撮影することで、見せたい色だけを浮かび上がらせることができた
スマートフォンのカメラ機能が進化して、簡単にデジカメ以上に綺麗に撮れるようになった。しかし、折角のカメラ機能も使い方法を知らないのは勿体ない話しである。
手軽に撮れるから手軽に写真を撮るのではなく、スマートフォンの優れたカメラ機能が撮影をアシストしてくれることを前提に、被写体を良く見て良い構図、良い色、良い露出を見つけて撮影すると、印象に残る写真を撮影することができる。
今回のセミナーでは、スマートフォンは作品撮りができるカメラに進化していると言うことを、改めて気付かされた良い機会であった。
執筆 mi2_303