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2か月連続でマイナス

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

日本自動車輸入組合(JAIA)がまとめた2019年11月期の外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比5.7%減の2万3753台と2か月連続でマイナスを記録する。

また、日本メーカーの輸入モデルを含めても同9.2%減の2万6787台と、2か月連続での前年割れとなった。

11月の輸入車販売は、2か月連続で前年比マイナス。そのなか、マクラーレンは同53.3%プラスという大幅増。

11月期の輸入車市場の動きについてJAIA関係者は、「11月の外国メーカー車の新車販売は、台風や豪雨など災害の影響が長引いたこともあり、前年同月比5.7%減の2万3753台と不調に終わった。また、日本メーカー車は新型車効果が薄れたこともあって同29.5%減の3034台と2か月連続でマイナスとなり、輸入車全体では同9.2%減の2万6787台と2か月連続で前年実績を下回った。消費税増税の影響も、少なからずあったようだ」と説明。

「一方、登録車全体に占める外国メーカー車のシェアは、国産車の新車販売が低調に推移したこともあり、9.9%と過去2番目に高い水準を記録する。価格帯別では、1000万円以上が2か月ぶりにプラスを達成し、400万円未満と400万円以上1000万円未満はマイナスを継続。超高所得層にとって、消費税増税はあまり関係ないようだ」と指摘する。

ベンツ 11月の過去最高

今後の展開については、「輸入車全体の受注状況は、新型車を中心に堅調に推移している。また、年末のボーナス商戦に向けて新型車や特別仕様車が各ブランドから精力的に発表されているので、これらがどれくらい販売台数を伸ばすかが今後の成績のカギを握るだろう」と説明。

「消費税増税の本格的な波及があるのか、また景況感の悪化に伴う消費意欲の減退は起こるのかなども、注視していく必要がある」と分析した。

M・ベンツは、11月に6051台を販売。同月の過去最高を記録した。写真は、1000万円を超えるSUVモデル、GLE 450 4マティック・スポーツ。

外国メーカー車の11月期のブランド別成績では、新車攻勢をかけるメルセデス・ベンツが前年同月比11.0%増の6051台の新規登録を記録して57か月連続での首位、しかも11月単月での過去最高を達成する。

続く第2位には、同14.1%減ながら3761台を達成したフォルクスワーゲンが1ランクアップで位置。

前月第2位のBMWは、同18.7%減の3459台で第3位に陥落した。また、アウディは前月と同位の第4位だったものの、新規登録は前年同月が低迷していた(1728台)こともあって、同20.0%増の2074台を成し遂げた。

スーパーカー伸びる

トップ4以外の外国メーカー車のブランド別成績では、精力的な新型車および特別仕様車の発売や販売キャンペーンの展開を実施した中堅ブランドの健闘が目立った。

ボルボが前年同月比6.5%増の1752台、ジープが同1.5%増の1000台、プジョーが同13.0%増の886台、シトロエンが同59.6%増の383台、アバルトが同21.4%増の176台、DSが同22.1%増の83台を達成する。

ロータスは13台を販売。前年比85.7%増の記録。写真はエリーゼ・カップ250 GPエディション。

また、スポーツカーブランドも復調し、ポルシェが同2.2%増の561台、ランボルギーニが同21.1%増の46台、マクラーレンが同53.3%増の23台、アストン マーティンが同7.1%増の15台、ロータスが同85.7%増の13台を成し遂げた。

一方、日本メーカー車のブランドではスズキが唯一、前年同月比29.2%増の332台と前年実績超えを記録。トヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、三菱自動車はマイナスに落ち込む。

今後、多くの日本メーカーが東南アジア地域の現地生産車をメインに日本への輸入を増やす計画を立てており、これが本格的に実施されてグローバル生産工順が進むと、日本メーカー車の新規登録台数は回復してくると思われる。