旅行のスケジュールにあわせてJRのきっぷをあらかじめ購入したものの、乗車日や区間、座席をあとから変更したくなった場合はどうすればよいのでしょうか。ネット予約サービスでは、制限があったり、はたまた特典があったりします。

手数料は不要だが制限も

 休みの日に旅行しようと、あらかじめ購入した新幹線のきっぷ。ところが、急に仕事が入って旅行を延期する場合や、気分が変わって旅行先を変更する場合には、きっぷも変更しなければなりません。


新幹線の普通車車内(2017年4月、恵 知仁撮影)。

 使用開始前のJRのきっぷは多くの場合、1回だけ変更できます。変更前より高くなる場合は差額を請求され、逆に安くなる場合は差額が返金されます。これは新幹線のきっぷでも変わりません。

 たとえば12月8日から有効な乗車券の利用開始日を1週間後の12月15日に変更したり、東京都区内→大阪市内間の乗車券を東京→新宿間の乗車券に変更したりすることも可能。また、東京〜新大阪間の東海道新幹線「のぞみ」の指定席特急券を、東京〜新潟間の上越新幹線「Maxとき」の指定席特急券に変更することもできます。

 席に余裕があれば、座席の位置も変えられます。3列席の中央で予約した指定席券を、通路側や窓側の指定席券に変更するといった具合です。

 変更の手数料は不要。きっぷを買い直すと払い戻す際に手数料がかかるので、変更するほうが安くなります。手続きは駅のきっぷ売り場や一部の旅行会社の営業所などで受け付けています。

 ただし、定期券と回数券は変更不可。割引きっぷも変更できなかったり、あるいは変更できる部分が利用開始日に限られていたりする場合があります。

 変更できるきっぷでも、原則として「同じ種類」のきっぷにしか変更できません。片道乗車券を往復乗車券に変更するのは、同じ種類(乗車券)のきっぷのため可能ですが、乗車券を特急券に変更することはできないのです。

自由席から指定席など、座席のグレードを変更するとき

 新幹線を含む特急列車で座席のグレードを変更する場合、変更できる場合とできない場合があります。普通車自由席のきっぷ(自由席特急券)を普通車指定席のきっぷ(指定席特急券)に変更することは可能。普通車からグリーン車に変更することもできます。


「えきねっと」などのネット予約サービスでは、変更回数に制限がない場合もある(2019年9月、乗りものニュース編集部撮影)。

 一方でその逆、グリーン車や普通車指定席のきっぷ(指定席特急券)から普通車自由席のきっぷ(自由席特急券)に変更することはできません。ただし、変更先の列車の指定席が満席の場合は、指定席特急券を自由席特急券に変更することができます。

 なお、変更できる回数は原則1回ですが、JR各社が展開しているネット予約サービスやチケットレスサービスでは、変更回数に制限がない場合もあります。

 東海道・山陽新幹線のネット予約・チケットレスサービス「スマートEX」や「エクスプレス予約」は、変更前の列車の発車時刻前かつ変更後の列車の発車時刻4分前までなら何度でも変更でき、手数料もかかりません。

 JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」は、利用区間がJR北海道とJR東日本のエリア内、または北陸新幹線のエリア内に収まっている場合などに「えきねっと特典」が適用され、何度でも変更可能です。

 ただし、ネット予約でも紙のきっぷを受け取ったあとでは変更できなかったり、何度でも変更できる期間は3か月以内に限られていたりするなどの制限があります。この制限内容は各社の予約サービスごとに若干の違いがありますから、利用前によく確認したほうがよいでしょう。