2016年にスポーツ専門チャンネルのDAZNとスポナビライブ(現在は廃止)が登場して以降、OTTサービスはスポーツ観戦の主流となりつつある。DAZNは年間10,000試合以上を配信しており、スポーツファンが視聴できる競技と試合の幅が広がった。

そんなDAZNは、数あるOTTサービスの中でどの程度の地位を築いているのだろうか。世界最大のマーケティング調査会社「ニールセンスポーツ」のデータをもとに紐解いていく。

調査時期:2019年6月14日(金)〜15日(土)
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国16〜69歳の男女(1,338人)
※スポーツ観戦に関心のある層(スポーツファン)824人+スポーツコンテンツを放映しているOTTサービス加入者 514人

 

2年間でDAZNとTverの認知率が大きく上昇

OTTサービス認知率

上の図は「OTTサービス認知率」の2017年〜2019年の2年間での変化を示したグラフである。2019年6月の認知率トップ3はHulu、AbemaTV、Amazon プライム・ビデオだった。

2年間で認知率が最も伸びたのはDAZNだった。順位を見ても、開始からわずか3年ながら5位に位置している。一方、HuluやdTV、スカパー!オンデマンドなど、開始時期の早かったサービスは認知率の落ち込みが大きかった。

 

DAZNの存在感が露わに。今後は「オフシーズン」に期待

DAZNの2年間での変化
スポーツファン:2017年=515人、2018年=1,030人、2019年=824人
ユーザー:2017年=106人、2018年=163人、2019年=326人

スポーツOTTサービス業界では、スポナビライブ終了に伴い、DAZNが一気に存在感を増している。認知率だけでなく、利用率、総合満足度、推奨意向も2年間で順調に伸びた。ちなみに、スポーツコンテンツを扱うサービスの中で、2年間で認知率と利用率が伸びたのはDAZNだけだった。

OTTサービス加入後の入退会状況(OTTサービス加入者)

しかし「OTTサービス加入後の入退会状況」を表したグラフに目を向けると、スポーツOTTサービスならではの課題も見えた。

DAZN、スカパー!オンデマンド、パ・リーグTV、J SPORTSオンデマンドでは、約2割の加入者がスポーツのシーズン・大会に合わせて入退会を繰り返している。1年間を通して継続的に利用してもらうためには、“オフシーズン”の配信コンテンツが鍵を握りそうだ。