会場で行われた祝賀公演の様子=1日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国と日本が民間レベルでの交流を深める恒例イベント「韓日交流おまつり2019 in Seoul」が1日、ソウルの総合展示場・COEXで開催された。

 韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた強制徴用訴訟問題や日本政府による対韓輸出規制などをめぐり両国関係は冷え込んでいるが、会場には日本文化に触れてみようと地元市民が足を運んだ。

 日本と関連がある仕事をしているコ・ヘヨンさん(40)は毎年友人や職場の同僚と同イベントに参加していたが、今年は中学2年生の息子を連れて会場を訪れた。「韓国と日本で、大人たちが繰り広げる政治的争いが子どもたちの世界では維持されないよう願う気持ちで息子と共に来た」と語った。

 主催者側は具体的な来場者数を公開しなかったが、同イベントに毎年訪れている人々は、昨年よりも来場者が減ったと口をそろえる。

 大学で日本語を専攻するオ・ジヒョンさん(20)は、いずれは日本と関連がある分野で就職したいと思っているが、韓日間の対立が長引き、自身の将来にも不安を感じていると心境を語った。オさんは「思っていたよりは多くの人が日本文化を体験しに来たのを見て、両国関係が以前のように戻れるのではないかと感じた。両国関係が(以前のように)回復してほしい」と願った。

 日本のアニメーションが好きだというクァク・テウさん(18)は「最近のような雰囲気では日本文化に好意を示す話をするだけでも非難の目でみられるので負担を感じる。はがゆい」と話した。

 最も人気が高かったのは着物や浴衣などを試着したり、輪投げ、けん玉などを体験したりする文化体験ブースだった。

 会場で韓服(韓国の伝統衣装)体験イベントを催した韓国伝統刺繍文化芸術協同組合のファン・スンギ室長は「来場者を見ていると、日本と、韓国を好きな心は今も昔も同じなのではないかと思った」と語った。韓日関係の冷え込みを受け、イベントへの参加を悩んだというファン室長は「日本が旧日本軍慰安婦被害者のおばあさんたちに謝罪し、対韓輸出規制措置を撤回して、以前のように自由に交流し、過ごすことができれば」と強調した。

 同イベントは2005年に韓日国交正常化40周年を記念しソウルで初めて開催され、09年からは東京でも開かれている。

 今月28、29の両日は東京・日比谷公園で「日韓交流おまつり2019 in Tokyo」が開催される。