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 婚活をしているのに、なかなか結婚が決まらない人がいます。一方で、するっと結婚を決めてしまう人もいます。結婚が決まる人、決まらない人、そこにはどんな違いがあるのでしょうか?  

 婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合いの現場に関わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えていく連載。今回は「婚活は自分本位にならず、お相手を思いやることが大事」です。

会う予定の日や時間がコロコロ変わる

 先日、ある男性から、「入会面談をしたい」という問い合わせがありました。まずはお互いの日程をすり合わせして、ある金曜日の19時にお会いすることになりました。

 ところが、それを決めた2日後に、「その日は、仕事でどうしても行けなくなりました」という連絡がきました。そこで、翌週の木曜日19時に面談することを再調整しました。ところが、また翌日、「その日もダメになったので、翌日の金曜日の19時はいかがですか?」と、連絡が入ってきてきました。

 面談の金曜日、その日は夕方から打ち合わせがあったので、それを早めに切りあげ、19時に間に合うように地下鉄に乗りました。すると、乗って数分後に、「仕事が長引いていて、本日はうかがえません」というメールが入ってきました。

 その後、全く何の連絡もないため、面談も行われず、今日に至っています。

 仲人の経験則から言うと、こういうタイプの人は男性でも女性でも、いったん決まったお見合い日程を間近になって、「リスケジュールしたい」と言ってくる人が多い。

 ご縁とは不思議なもので、リスケされたお見合いというのは、交際に入ったり、成婚したりすることがほとんどありません。

 いったん取り決めた約束を、簡単にキャンセルしたりリスケしたりする人は、自分の都合ばかりを優先して、その時間をあけていた相手のことは考えていないのでしょう。

 こうしたタイプの人も、相手が大切な取引先だったとしたら、会う時間を変更したりしないはずです。でも、美容室、整体、ネイル、友達との会う約束の日程ならば、自分の都合でコロコロ変えていく。こんな自分本位の人は、婚活をしてもうまくいきません。

 変えられた側は、決していい気持ちがしないからです。

遅刻グセのある人

 裕也さん(38歳、仮名)が入会し、お見合い写真を撮影することになりました。お見合い写真は、お見合いの呼び水になるので、200%の出来で撮ることが大切。とても上手に写真を撮ってくださる信頼のおける写真スタジオをご紹介しました。

 予約はある土曜日の11時。私が11時にスタジオで待っていると、「すいません。間違えた方向の電車に乗ってしまって、15分ほど遅れます」というLINEが入ってきました。

 そのことを、スタジオのスタッフさんに告げると、とても困った顔をされました。

「今日は撮影が詰まっているので、終わりの時間をのばすことはできません。本当に15分遅れで来るでしょうか?」

 結局20分近く遅れてきたので、予定していたロケ撮影ではなく、スタジオ撮影となりました。スタジオで撮るよりも、自然光のロケで撮ったほうがお写真が自然な感じになるし表情も柔らかく撮れるのですが、時間がないので致し方ありません。

 それでも、カメラマンはやはりプロフェッショナル。とても、素敵な写真ができあがり、裕也さんは登録をすませ、お見合いをスタートさせました。

 ところが、初めてのお見合いも待ち合わせの14時を5分遅れて来たのです。お見合いは、遅刻厳禁です。たとえ5分でも遅れるときは、仲人に連絡するというのがルールです。

 さらに先日は、お見合いに30分遅刻をしてきました。ウイークデー、仕事終わり18時30分からのお見合いだったのですが、「申し訳ありません。仕事が押していて、30分遅刻します」と連絡が来たのが、18時15分。

 約束の時間の15分前に、30分も遅刻するという連絡をしてくるのは、お相手に失礼です。

 思わぬ形で仕事がのびでしまう。大切な取引先との会合で、どうしても仕事を定時で切り上げられなかった。出ようと思っていたら大事な電話が、かかってきてしまった。遅刻する理由は、いろいろあるかもしれません。

 しかしながら、それらを想定したうえでお見合い時間を設定するべきですし、もしも当日遅れそうならば、最低でも2時間前、もしくは3時間前に、仲人に連絡をすべきです。そうすれば、お相手もでる時間を調整することができます。

 お相手の女性、良枝さん(33歳、仮名)は、約束時間の10分前、18時20分には、カフェにやって来ました。

「申し訳ありません。いま連絡が入ってきて、30分遅れるというので、到着が19時くらいになると思います。暑いですから、カフェに入っていましょう。私が来るまでお茶をご一緒させていただきます」

 そして40分間、私が良枝さんとお茶をすることになりました。とても、素敵な女性でした。19時に裕也さんが駆け込んでくると、良枝さんは、笑顔で言いました。

「お仕事、お忙しいんですね。大変ですね」

 私は、2人を残してカフェを出ましたが、もうこの日のお見合いは、結果が見えた気がしました。

 案の定、翌日に良枝さんからお断りがきました。

お見合い場所を、自分の近くに呼び寄せる人

 聡美さん(35歳、仮名)は、千葉県在住なのですが、千葉、東京、神奈川、埼玉の男性とは、積極的にお見合いをしていました。プロフィールには、「日本全国どこにでもお嫁に行きます」とPR欄に書いていましたし、美人さんなので、お見合いもよく組めていました。

 先日、埼玉の男性、吉積さん(37歳、仮名)とお見合いが成立したときのこと。私が池袋でのお見合いを組みました。すると、聡美さんからこんな連絡がきました。

「吉積さんとのお見合いですが、場所は千葉ではダメですか? あちらからのお申し込みですから、近くに来ていただいてもいいですよね。池袋は遠いので」

 確かに申し込んで来たのは、男性のほうですが、東京を挟んでいるのです。

「中間地点で会ってもいいのでは?」と、私が言うと、聡美さんはこう答えました。

「中間地点だったら、新宿じゃダメですか。あと、錦糸町でどうですか」

 新宿から池袋は、山手線で9分です。“池袋は遠いけれど、新宿ならいい”。そのこだわりがわかりません。さらに、都内にするなら、千葉に近い都内の錦糸町にできないかという。

 聡美さんに限らず、お見合いをなるべく自分の住んでいる近くでしたいという女性がいます。男性には、こうしたタイプは少ないのですが。

 聡美さんのようなタイプの女性は、男性の住んでいる近くでお見合いが設定されると、頑(かたく)なに拒んで、「場所を変えてください」と言います。「どうして私が、そこまで行かないといけないのですか?」と譲りません。

 こういう女性たちは、近くに来てくれる、イコール、大切にされているという概念があるのでしょう。食事をご馳走してくれる、イコール、大切にされていると考えるのと似ていますね。

 結局、聡美さんは、穂積さんと錦糸町で見合いをしました。

「すごく楽しくお話をすることができました。またお会いしたいです」と聡美さんは“交際希望”を出してきましたが、穂積さんからは、“お断り”がきました。いったん、池袋で決まったお見合い場所を、千葉に近い錦糸町に変えた。そこに、聡美さんの人柄を垣間見たのかもしれません。

自分本位で相手の立場に立てない人々

 1度決めたスケジュールを、クルクル自分の都合で変えたり、1時間前にドタキャンしたり。

 お見合い時間の15分前に、30分遅れることを連絡してきたり。

 自分の住んでいる場所の近くでお見合いしたがったり。

 これらの人たちに共通しているのは、あくまでも自分中心で物事を考えていて、相手の立場に立っていないことです。

 結婚は、それまで全く違う環境で育ってきた人同士が、ひとつ屋根の下で暮らすことです。自分の発言や行動が相手にどんな印象を与えるか、その想像力に欠けている人は、結婚することが難しいでしょう。

 30代、40代、50代と独身で思うがまま生活をしてきて、自分のライフスタイルを確立してしまった人は、自分中心の発想になりがち。もっとお相手に対して思いやりのある婚活をしてくださいね。

鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイト『最短結婚ナビ』http://www.saitankekkon.jp/