個々の労働者と事業主との間の民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数のすべてで、「いじめ・嫌がらせ」が過去最多だったことが、厚生労働省の「2018年度個別労働紛争解決制度の施行状況」で分かった。

 2018年度の労働者と事業者との間の労働条件や職場環境に関する総合労働相談は111万7983件(前年度比1.2%増)で、11年連続で100万件を超え高止まりとなっている。

 相談件数の内訳は、法制度の問い合わせが70万3928件(57.0%)、労働基準法等の違反の疑いがあるものが19万2546件(15.6%)、民事上の個別労働紛争相談件数が26万6535件(21.6%)、その他が7万2893件(5.9%)となった。

 民事上の個別労働紛争相談件数は26万6535件(前年度比5.3%増)で、相談内容別にみると「いじめ・嫌がらせ」(8万2797件)、「自己都合退職」(4万1258件)、「解雇」(3万2614件)、「労働条件の引き下げ」(2万7082件)が多かった。

 2001年度までは「解雇」に関する相談件数が最多となっていたが、2002年度から「いじめ・嫌がらせ」がトップとなり、以降7年連続でトップが続いている。

 個別労働紛争の相談者は、労働者(求職者を含む)が83.3%と大半を占め、事業主からの相談は9.7%となった。

 紛争の当事者である労働者の就労形態は、「正社員」(38.2%)、「短時間労働者」(13.9%)、「有期雇用労働者」(11.2%)、「派遣労働者」(5.2%)となっている。

 助言・指導申込件数は9835件(前年度比7.1%増)で、相談内容別にみると「いじめ・嫌がらせ」(2599件)、「自己都合退職」(965件)、「解雇」(936件)、「労働条件の引き下げ」(825件)が多かった。

 あっせん申請件数は5201件(前年度比3.6%増)で、相談内容別にみると「いじめ・嫌がらせ」(1808件)、「解雇」(1112件)、「雇止め」(448件)、「退職勧奨」(360件)が多かった。