近年、日本だけでなく外国からも参拝者が多くなっている神社。パワースポットとして知られる有名な神社のほかにも、身近な場所にある地域の鎮守様や、産土(うぶすな)の神社に参拝する人も多くいます。ペットの散歩がてら参拝するなど、日常生活の中に神社が溶け込んでいるという土地も。しかし、ペットを連れて参拝する際のマナーについて考えさせられるツイートが、埼玉県秩父市にある三峯神社から投稿されました。一部のペット連れの参拝者による心無い振る舞いにより、2019年7月1日よりペット連れでの境内立ち入りを控えてほしい、というのです。

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 白岩山、妙法ヶ岳、雲取山の3山を「三峯」として、景行天皇より社号を賜ったという由緒を持つ埼玉県秩父市三峰の三峯神社。山岳信仰、修験道の道場としても知られ、大正時代には昭和天皇の弟宮、秩父宮雍仁(やすひと)親王もご自身の宮号にゆかりある場所として参拝された記録があります。境内の入り口には明神型の鳥居を3つ並べて組み合わせた「三ツ鳥居」という珍しい鳥居があり、近年ではパワースポットとして人気の高い神社です。

 ペット連れでの境内立ち入りをお控えください、というお願いのツイートが投稿されたのは、2019年6月4日。もともと三峯神社では犬(山犬)を祭神の眷属としており、三峯神社を崇敬する三峰講では「お犬様」と大切にしている存在でもあります。

 しかしこのところ、一部のペット連れの参拝者による心無い振る舞いが境内で散見されるようになり、神社側では心を痛めていたとのこと。もとより神社の鳥居をくぐった境内は“神のおわします神域”であり、神聖な信仰の場所です。神道の考え方の基本は「祓い清める」こと。このため、境内は神職によってまめに掃き清められ、清浄な状態を保つようにしています。この“清浄”の維持が困難になるほどの事態が起きているようです。

 神社としても、多くのペット連れの参拝者が周りの参拝者に気を配り、心静かに参拝できるようにしていることは重々承知しています。そして神社にとって大切な眷属の振る舞いということもあり、断腸の思いでの決断であることが示されています。

■ 盲導犬などの補助犬は従来通り一緒に参拝可能

 これにより、2019年7月1日より、境内へペットを連れての立ち入りはお控えください、ということになりました。これはペットに限ったお願いですので、盲導犬、聴導犬、介助犬などの補助犬に関しては、これまで同様、一緒に参拝することができるとのことです。

 こういった類の問題は、どの場所でも起こりうる話ではありますが、ペット自身の問題というよりも、連れている人間の振る舞いの問題に帰結するような気もします。
意のままにならない、独立した自我を持つペットのことですから、何か粗相をした場合にはうまくフォローするなどの心がけが必要なのかもしれませんし、粗相をするのは“起こりうること”。大事なのはその後にどう振る舞うか、ということを神様はご覧になっていると考えると、より分かりやすいかもしれません。

 なお、神社によっては最初からペット連れでの立ち入りを禁止し、注意看板を出しているところも珍しくありません。ペット同伴の場合には、立ち寄る神社はペット立ち入り可能かなど注意看板を確認するなり、神社の方に聞くなりして事前に確認することが大切です。

<出典・引用>
三峯神社 公式Twitter(@mitsuminejinja_)
※画像は三峯神社公式Twitterのスクリーンショットです。

(咲村珠樹)