医療法人一成会が運営する「さいたま記念病院」(帝国データバンク撮影)

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 医療法人一成会(TDB企業コード:420165232、資産の総額3億6598万2577円、埼玉県さいたま市見沼区東宮下196、代表遠藤真弘氏、従業員390名)は、4月24日に東京地裁より再生手続き開始決定および管理命令を受けた。

 再生管財人は綾克己弁護士(東京都千代田区大手町1-8-1、ときわ法律事務所、電話03-3271-5140)。

 当法人は、1965年(昭和40年)10月に設立、85年9月に現所に「ナトメック七里病院(現:さいたま記念病院)」を開設した。同病院は内科、総合診療科、外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、眼科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、皮膚科、リハビリ科に加え、人間ドックも行う、病床数199床の一般病院。2008年には川口市に介護老人保健施設「かわぐちナーシングホーム」を開設し、2015年3月期には年収入高約38億1600万円をあげていた。

 過去、病院建設に伴う投資負担から債務超過に陥っていたが、債権者からの債権放棄を受け2005年に債務超過が解消されていた。近年は「さいたま記念病院」の施設の老朽化や近隣、市内の他病院との競合激化から収入高が減少で推移、2017年3月期は年収入高約36億500万円に落ち込んでいた。損益面も設備の改修や販管費負担で2016年3月期は経常損益が赤字に転落、病院不動産売却に伴う特別損失が重なり、約5億9000万円の最終赤字を計上、翌2017年3月期も医療機器の更新などから最終赤字を計上していた。近時も業況が低迷するなか、自力での再建が困難との判断により、民事再生による再建を目指すこととなった。

 今後は別の医療法人の支援を受け、事業は同医療法人が承継し、営業を継続する意向。なお、「さいたま記念病院」「かわぐちナーシングホーム」とも営業中。

 負債は約16億円。