『いだてん』で三島弥彦を演じる生田斗真 (c)NHK

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「宮藤(官九郎)さんと何度かご一緒させていただいているんですが、宮藤さんが脚本だと、もれなく毎回、脱ぐ役なんです(笑)。まさか大河ドラマで毎週、僕の裸が映るなんて、想像もしていませんでした」

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 大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺〜』で、三島弥彦を演じている生田斗真。’14年放送の『軍師官兵衛』以来、大河ドラマは5年ぶり2度目の出演だ。

「今作ではあまり“大河に出ている”という感じがしないんです。近代が舞台だから、武将も出てこない。でも、そういった概念を壊した“新しい大河を作って、日本を元気にしたい”という気持ちがスタッフたちからもすごく伝わってきていて。僕も、みなさんがこのドラマを見て、月曜日への活力になるようなものを作りたいと思っています」

 頭脳明晰で運動神経もバツグン、まさに“スポーツの覇王”と呼ばれていた三島。“日本初のスポーツクラブ”として知られる“TNG”こと天狗倶楽部の一員として、物語を盛り上げる。

「実際の三島さんのお写真を見ると、とても体格の大きいがっしりとした方なので、まずは身体から説得力を持たせられるよう、撮影前からずっとトレーニングをしていました。特に“食べること”も大切だと思っていて。天狗倶楽部のメンバーで、撮影終わりに焼き肉に行くと“天狗倶楽部なら、米の大(サイズ)食べるでしょ!?”という流れに、自然となります(笑)」

 三島と金栗が、日本人として初めて出場したストックホルムオリンピック(1912年開催)の様子もこれから細かく描かれていくが、

「今では“今回は何個メダルを持って帰ってきてくれるかな”という感覚でオリンピックを見ていますが、当時からすると想像もできないこと。金栗も三島も、初めて外国人選手を目の当たりにして、戦って“これは勝てない”と痛感し、結果でも、気持ちの面でもボコボコにされて帰ってきて。そこからどれだけの努力と苦労があって、今の日本の強さがあるのかと思うと、来年の東京オリンピックへの見方も、大きく変わってくるんではないでしょうか」

「昔の経験が、生きていると」

 そんな大切なシーンの撮影が行われたストックホルムでは、合間に“まさか”の出来事が!?

「ロケが早く終わったので街中にあった遊園地に勘九郎さんと“行ってみようか”と話していて。“竹野内(豊)さんも誘ったら来てくれるかな”とダメもとで誘ったら、なんと来てくださったんです! まさかおふたりと遊園地に行けるなんて!」

 と、とてもうれしそうに話す。

「フリーフォールみたいな、上から垂直に落ちるアトラクションに乗ったとき、勘九郎さんが“あぁ〜怖い怖い! どうしよう〜”って言ってる一方で、竹野内さんはいい声で“ハッハッハッ”って楽しそうに笑っていて。そのふたりに挟まれた僕、というあの感じがなんとも印象的でした(笑)」

 3月3日に放送される第9回では、いよいよ金栗と三島がオリンピックへ出発するためシベリア鉄道へ。撮影時に、生田にとって“昔”を思い出した瞬間があったそうで、

「第9回の監督を務められているのが、大根仁さん。僕がまだこの世界に入ったばかりの中学生くらいのときから、何度もご一緒させていただいています。お金がなくてセットも組めず、狭い場所で深夜ドラマを作っていたときは、まさか大河ドラマの現場でまたご一緒できるなんて、想像もしていませんでした。今回シベリア鉄道の狭い車内でのシーンなので、大根さんとの深夜ドラマの経験が、すごく生きていると思います」