ついにノートがデスクトップを超える? デルがデスクトップ用CPU/GPUを搭載した究極のゲーミングノートPC

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デルは「デルおよびALIENWARE新製品発表会」において新たなゲーミングノートパソコン4モデル発表している。

発表されたモデルは、
・「New Dell G5 15」

プレミアムゲーミングブランド「ALIENWARE(エイリアンウェア)」の薄型ゲーミングノートパソコン
・「NEW ALIENWARE m15」
・「NEW ALIENWARE m17」

そしてフラグシップモデルとも言うべき今回の目玉
・「NEW ALIENWARE AREA-51m」
である。

今回の最新モデルでは、
新世代のグラフィックプロセッサ(GPU)であるNVIDIA「GeForce RTX」搭載が、注目トピックでもある。

この「GeForce RTX」GPUの特徴は、ガラス面に周囲の風景が写り込むような複雑な情景をリアルに再現できる3D CGのレイトレーシング表現も可能にする。

つまり、これまでよりも現実に近い映像の中でゲームが楽しめるGPUを搭載した次世代のゲーミングパソコンなのである。

それぞれのモデルの立ち位置だが、
New Dell G5 15は、




カジュアルゲーマーやハイスペックパソコンを必要とするクリエイターにもオススメな15.6インチディスプレイモデルで、最小構成が139,980円からとなる。

NEW ALIENWARE m15とNEW ALIENWARE m17は、




薄型・軽量でバッグに入れて、どこでも本格的なゲームを楽しみたいユーザーのためのモデルである。なお、ゲーミングノートパソコンとしては珍しく4K(3840×2160ドット)の液晶パネルも選択可能なので、ハイパフォーマンスを活かした動画編集機や写真編集機としても魅力的な製品だ。
価格は15.6インチのNEW ALIENWARE m15が212,980円から、
17.3インチのNEW ALIENWARE m17が232,980円からとなる。

今回の目玉となる「NEW ALIENWARE AREA-51m」(以下、AREA-51m)は、




ALIENWAREシリーズにおいて次の世代のゲーミングパソコンを目指すモデルである。

このAREA-51mは
・プレミアムゲーミングブランドのアイコンとなる新デザインを採用
・デスクトップパソコンをノートパソコンサイズに
・CPUだけではなくGPUも交換可能
という特徴を持つ。

これまで20年以上続く「ALIENWARE」のデザインは、
その名のように、未知のメカのようなデザインをイメージさせられるものであった。
デルのパソコンはブラックやグレーなど、個性よりも性能を重視するものであったが、ALIENWAREはまさにゲームに勝つための武器を持つような強いアイデンティティーを持つ製品だった。

これは「ゲーミングパソコン」という特別なものを持つというプレミアム感を演出、認知させるためだ。そしてゲーミングパソコンというカテゴリーが明確になるにつれて他社も同様に強い個性を押し出すようになってきた。

一方で、こうした個性的でアクの強いデザインは苦手というユーザー向けに、
メインストリームのブランドで、ゲーミングパソコンをラインナップさせる動きもある。

これは、ALIENWAREのデザインが“ダメ”なのではない。

ゲーミングパソコンという市場が大きく成長したことで、利用者やユーザーのニーズの多用性にあわせて、さらにすそ野を広げるための施策なのだ。

まずは、カジュアルゲーマー向けのNew Dell G5 15で入門し、いつかはプロゲーマー向けのALIENWAREを選ぶという導線づくりでもある。

とは言え、カジュアルなゲーミングパソコンのユーザーが、前述した押し出し、アクの強いデザインのゲーミングパソコンに移行するのか? という疑問もあるだろう。

現状では、高い性能を引き出すための負荷に対する耐久性などを考慮した、ALIENWAREが最適解であり、それを選ぶことになるだろう。

AREA-51mは、この“エイリアン“デザインからシンプルでありがなら、次のゲーミングパソコンをイメージしたレジェントデザインを採用する。




このデザインはアート作品などからインスパイアされたというもので、ゲーミングパソコンに美しさを持ち込んだ初めての製品と言える。

さらにレジェンドデザインで次世代を創り出すAREA-51mは、デスクトップパソコンをノートパソコンに凝縮すると言う新たなチャレンジもしている。

デスクトップパソコンは、
大きな筐体に巨大でパワフルな電源ユニットを用いて、パーフェクトな冷却システムを効率的に活用することでCPUやGPUのパフォーマンスを最大に引き出すと言う特徴を持つ。

一方ノートパソコンの場合は、
電源コンセントがなくても利用できるというメリットがあるものの、バッテリーで駆動するために性能を落としたCPUやGPUを搭載しているためデスクトップパソコンのようなパフォーマンスを引き出すことはできない。

また、CPUやGPUは基板に直付けであるモデルも多く、アップグレードするためには前述した通り買い換える必要がある。メーカーは、この買い替え需要やステップアップに合わせて、新製品を出していると言うわけでもある。

AREA-51mは、ゲーミングノートパソコンが抱えていた2つの問題を解決すべく、デスクトップパソコンの置き換えを目指したノートパソコンなのだ。




CPUにはノートパソコン向けのものではなく、デスクトップ向けの製品を搭載する。
このCPUは、PCパーツショップや家電量販店でも購入することも可能なデスクトップ向けの製品そのものである。ただし、自分でアップグレードするには自己責任でということになる。
基本は、デルのサポートでパーツのアップグレードをして貰うのが安全だ。

さらにGPUもデル独自の規格でオプションパーツ展開をする。
ゲーミングパソコンにおいて、CPUはハイエンドものであればしばらく買い換える必要はないが、GPUは年々性能が向上し、3D CGとして表現できる幅が拡がっている。
美しいグラフィックでゲームを楽しむことも一つの楽しみだが、GPUの性能向上でこれまでコマ送りのようだったシーンが滑らかに動くようになる。




この表示の滑らかさは、アクションゲームや対戦ゲームにおいて、勝敗を決める決定的な要素となるため重要視される部分なのである。

デスクトップ向けのCPUが使えることで、ノートパソコンを超える性能を発揮できる。
交換可能なGPUでは、常に最高の性能を追い続けることができる。ノートパソコンサイズにデスクトップの性能を詰め込むためには、冷却機構の効率化が課題となる。AREA-51mは、冷却のための効率化とファンコントロールソリューションで解決している。

一方で、デスクトップパソコンに必須な巨大な電源ユニットはどうなっているのか?実は、ハイパフォーマンスで駆動するためには、ACアダプターを2系統必要とする。いわば、電源ユニットを外付けにしているのである。利用するGPUに合わせてACアタプターの容量も異なるものが用意されており、設計には余裕を持たせているようだ。

究極のゲーミングノートパソコンと言えるAREA-51mの価格は、最小構成が345,980円からのプレミアムなのである。
しかし、その価格に見合うパフォーマンスとプレミアムデザインを実現しており、
「AREA-51mを憧れの存在にする」
こうしたブランディングは、ゲーマーだけではなく、ハイパフォーマンスを必要とするクリエイターにも刺さるのではないだろうか。


執筆  mi2_303