【MLB】大谷翔平、右肘手術経験の元AS野手が語る 復活のカギは「自信、メンタルの部分」
大谷と同じ右投左打で右肘手術を経験したクリフ・フロイド氏
昨年10月初旬に右肘内側側副靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けたエンゼルスの大谷翔平投手。順調な回復を見せている一方で、ビリー・エプラーGMは3月28日のアスレチックスとの開幕戦を欠場する方針を明かしている。
今季は投手としてはリハビリを進める一方、指名打者としての活躍が期待される二刀流の男に対し、右肘手術から復帰したかつての人気外野手は大谷のバッティングスタイルから肘にかかる大きな負担について危惧している。MLB公式テレビ「MLBネットワーク」の人気番組「MLBトゥナイト」ではエプラーGMの発言を受けて、大谷の今季復帰を特集した。
かつて右肘手術を克服したメジャー通算2328安打、612本塁打で殿堂入りを果たしている名手ジム・トーミ元内野手とともに、ゲストとして招かれたのはクリフ・フロイド元外野手だった。
メジャーで17年間プレーし、2001年にオールスターに出場したかつての人気選手は右ひじを手術した経験を持つ。そして、大谷と同じ右投げ左打ちという立場から、故障明けの右ひじが左打席でどのような影響を与えるのか、自身の体験から振り返っている。
「彼(オオタニ)は多くのことを乗り越えてきましたね。メジャーレベルでいかにプレーすべきか。最も重要なのは伸展です。彼はただボールを思いきり叩くだけの選手ではありません。彼は修正に成功しました。以前はレッグキックをしていましたが、旋回を抑え、(肘の)伸展力でボールを飛ばしています。(肘に)大きなプレッシャーになりますよ」
二刀流の復活については「試合に戻る状態にして、自信を取り戻す」
昨年の開幕直前に一本足打法からノーステップ打法に切り替えて、本来の打撃力を輝かせた大谷。美しいフォームから放つ、華麗なバッティングを支えているのは右肘の伸展力だと、フロイド氏は分析。打撃フォームゆえに、他のバッターよりも手術明けの患部に多くの負担がかかるリスクを指摘している。
その一方で、「そこにレギュラーとしてプレーするための準備が加わります。そこが大事です。打席には多く立ちたい。でも、その前に彼は健康にならなければいけません」とフロイド氏は力説。
打者としての完全復活と同時に、二刀流の男に課せられる宿題はあまりに多いという。
「我々はただ打撃ケージに入って、修正をします。そこからゴロの守備練習や、私は外野の守備練習をこなしましたが、彼の場合はマウンドに行くことになります。今ではメジャーの打者をいかにアウトにするのかわかっていますが、彼にはプレッシャーがあるのです。ヘルシーになる。試合に戻る状態にして、自信を取り戻す。そして、我々が目撃してきた男に戻る、という」
手術明け、そして、二刀流という前代未聞のケースから完全復活へのハードルの多さを指摘したフロイド氏。大谷完全復活の鍵については「自信。メンタルの部分」と分析。二刀流狂想曲となったメジャー1年目も不動心を貫いてきた大谷の鋼のメンタルに注目していた。(Full-Count編集部)