町田啓太 撮影/森田晃博

写真拡大

「昨年は、たくさんの作品、作風、役柄に挑戦させていただいた年でした。大河ドラマ『西郷どん』もそのひとつで、時代劇はずっと挑戦してみたかったもの。“やってみたい”と言い続けたら、叶うこともあるんだなと思いました」

【写真】愛くるしく、カッコいい町田啓太

 そう振り返る町田啓太(28)。『中学聖日記』や『女子的生活』などのドラマをはじめ『OVER DRIVE』『jam』といった映画と、昨年だけでもさまざまな表情を見せてくれた。

 そして、今年公開される映画作品の幕開けを飾るのが『二階堂家物語』。「初めてだらけだった」と本人が語るのは、この作品が’15年のカンヌ国際映画祭『ある視点』部門・期待すべき新人賞を受賞したイランの女性監督、アイダ・パナハンデによるものだから。

「共演者の加藤雅也さんは監督と英語で話をされていましたが、僕は通訳さんを介して。監督は“私は日本語がわからないけれど、表情を見れば(パーフェクトか)わかるから”とおっしゃって。直接、コミュニケーションがとれないからこそ、監督が意図していることや、求めていることをもっとよく聞こう、知ろうという気持ちになりました」

 撮影を進めていくうえで監督、俳優、スタッフが何度もディスカッションを重ねたという。

「例えば、セリフ。日本語って、語尾で印象が変わるじゃないですか。だよ、ですよ、ます、といろいろありますから。最終的には、監督から“セリフはおまかせするので”と言っていただけるようになりました」

町田啓太が夢中になっていること

 豊かな自然に囲まれた奈良県天理市を舞台に、種苗会社を経営する二階堂家の跡継ぎ問題を描いたヒューマン作品。町田が演じるのは、主人公の二階堂辰也(加藤雅也)の娘・由子(石橋静河)の幼なじみで、彼女に思いを寄せる多田洋輔。劇中、「結婚できるなら、名字を変えてもいい」というセリフが出てくる。

「僕自身、長男ですが“家を継ぐ”ということを意識したことはないですね。今まで続いてきた町田なり、作品で言えば二階堂の歴史を絶やさないために、後世に伝えたいという思いは理解できますが。

 これまで現実的に考える機会はなかったのですが、婿養子に入ることにも特に抵抗はないです。きっと、作品を見てくださるみなさんも、二階堂家に共感される方がいたり、こういう家族がいるのだと思う方がいらっしゃるんじゃないかなと思います」

 作中で洋輔が由子を思うように、どんな女性に惹かれるかと聞くと、

「何かに夢中になっていたり、楽しんでいたり、頑張っていたり、そういう前向きな方は、やっぱり素敵だなと思います」 

 と、語る。自身が夢中になっているのは、「役者業」と即答した。

「いろいろなことを経験させていただけたことで、今後、自分がやりたいことが少しだけですが明確になったように思います。どんなことか、具体的なことは秘密ですけど(笑)。

 20代のうちにしかできないこともたくさんあると思うので、やり尽くすくらいやってみたいです。いま、いちばん挑戦してみたいのはSF作品。小さいころに見ていた、ドラえもんとか、ファンタジーで夢があるなって。やってみたいですね」

 最近、どこでもドアがあったらと思ったことは?

「しょっちゅうです(笑)。ドアを開けたら、ハワイとか、ヨーロッパっていいですよね。旅行にあまり行けていないので、行きたい願望はかなりあります! ヨーロッパをバックパックで回ったりしてみたい。作品に挑戦してアウトプットが続いているので、インプットも必要ですよね。そういう時間もつくれるようになったらいいなと思っています」

<プロフィール>
まちだ・けいた◎1990年7月4日、群馬県出身。2010年俳優デビュー。昨年は、ドラマ『女子的生活』『西郷どん』『中学聖日記』、映画『OVER DRIVE』など6本のドラマと3本の映画に出演。現在、ドラマ『連続ドラマW 盗まれた顔〜ミアタリ捜査班〜』(WOWOW)に出演中。今後の公開作に映画『PRINCE OF LEGEND』『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』が控えている。

映画『二階堂家物語』
1月25日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国順次公開
配給:HIGH BROW CINEMA