Googleが44億円でスマートウォッチ関連の知的財産と開発人員の一部をFossilから買収
by MB-one
ファッションアクセサリーブランドのFossilは、2019年1月17日にスマートウォッチ関連技術など知的財産をおよそ4000万ドル(44億円)でGoogleに売却することを発表しました。1月中には行われるこの取引では、Fossilの研究開発チームの一部もGoogleに加わることとなり、これまで以上にGoogleがスマートウォッチ分野へ本格的に取り組むとみられています。
https://www.fossilgroup.com/fossil-group-enters-agreement-sell-select-smartwatch-technology-google/
Google to pay $40 million for Fossil's secret smartwatch tech - new products incoming
https://www.wareable.com/fossil/google-fossil-wear-os-smartwatch-big-deal-6922
1984年に創立したFossilは、ハンドバッグやジュエリー、時計、洋服などさまざまなアイテムを扱うアメリカのファッションブランドです。もともとはファッション時計の輸入販売事業から始まったこともあり、Fossilにとって時計は主力製品。2003年にはPalm OSを内蔵した「Fossil Wrist PDA」を発表するなど、Fossilはスマートウォッチには早くから注目していた企業の1つとして知られています。
by Danski14
2015年10月、FossilはGoogleのAndroid Wearを搭載した「Fossil Q Founder」を発表。同年11月には、Fossilはウェアラブルデバイス企業のMisfitを買収し、活動量計の開発技術も吸収しています。記事作成時点で14ものブランドにわたってスマートウォッチを開発・販売するなど、Fossilはスマートウォッチを主力製品の1つとして扱っています。また、Fossilのスマートウォッチ研究開発部門は、総勢200人以上を抱える一大チームとなっているとのこと。
そんなFossilは、開発中のスマートウォッチ技術を含む知的財産を2019年1月中には4000万ドル(約44億円)でGoogleに売却し、研究開発チームの一部もGoogleに参加することを明らかにしました。Fossilは「FossilとGoogleの取引は、ウェアラブルデバイス業界への共同投資です」と述べています。Fossilの最高戦略責任者兼デジタルオフィサーであるGreg McKelvey氏は「Fossilは既存のスマートウォッチプラットフォームを改善する可能性のある技術を構築し、進歩させました。私たちのイノベーションパートナーであるGoogleと共に、私たちはウェアラブルデバイスの成長を進めます」とコメントしています。
Googleはスマートウォッチ用のOSであるAndroid Wearを開発していましたが、2018年3月に突然Android Wearを「Wear OS by Google」に改名することを発表。2018年にはGoogleからPixelブランドのスマートウォッチが発売されるというウワサがささやかれていましたが、Wear OS by Google担当エンジニアリングディレクターのMiles Barr氏は「私たちはまだスマートウォッチを発売できる段階には到達していません」と年内のPixel Watchの発表を否定していました。
Fossilのスマートウォッチ関連技術とその開発人員を買収したことによって、GoogleはOSだけではなくハードウェアの開発技術やノウハウも得ることとなりGoogle Pixelブランドを冠するスマートウォッチの実現は近づいたといえます。GoogleのWear OS by Google担当の製品管理担当責任者であるStacey Burr氏は「Fossilグループの技術とチームがGoogleに加わることで、スマートウォッチはより多様となり、私たちは顧客の日々進化するニーズに応えるべくウェアラブルデバイス業界へ取り組めます」と述べています。