1日、テレビ東京「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」では「甲子園に球数制限 必要?不要?」と題し、甲子園におけるピッチャーの投球数を特集。今年の甲子園では、金足農業・吉田輝星が大会中881球を投げ、多くの人に感動を与えた一方、将来の選手生命に影響を及ぼす投球過多を懸念する声もある。

国内でも投手の負担を軽減し、ケガを防止する目的でガイドラインを設けているのが、神奈川県立・市ケ尾高校だ。投手の連投や投球数が多くなることに抵抗があったという同校・菅澤悠監督は投球数に応じた休息日数を定めており、野球部では6人の投手を揃えている。

球数制限があることで投手が揃わない学校が勝てないという声に、「球数制限をかけていた方が、2番手、3番手は育つと思います」と切り出した菅澤監督は、「どうしても投げないといけない場面があるので誰がエースとか関係なく自分がうまくならないと勝てないというのがわかっている」とコメント。事実、同校の投手からは「ケガがなくなった」、「モチベーションが上がった」という声があがっている。

その一方で、甲子園の球数制限については否定をした菅澤監督。「取り入れて欲しいんですけど、1日の上限は入れて欲しくない」と切り出すと、その理由を「投げているピッチャーを降板させることがメインの野球になってしまう」と指摘し、「自分のチームでもそうですけど休養日の規定を作って欲しい」と訴えた。

また、スタジオでは野球解説者・中畑清氏が甲子園での球数制限は不要とし、「球数制限を設けることで、今回の金足農業の吉田輝星は生まれない。あの感動はなくなるんだよ。制限することで一人で投げ抜くっていう選手がもう出てこない」、「投げ抜いて完全燃焼した吉田輝星の姿ってすごく大事。実社会に出て、この免疫力がどれだけ役に立つか。野球って人間教育する」などと持論を展開した。