会見後に入院した内田前監督。懲戒解雇を受け何を語るのか

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 日大の悪質タックル問題が発覚してから約3か月がたったが、問題は収まるどころか、次々と驚愕の事実が浮かび上がる始末。その結果、付属高校のアメフト部員の流出という問題が水面下では起きているという。

【写真】合同基礎練習を再開したフェニックス

「日大の付属高校は、大学まで行くことができるからって入学する生徒もいるのに、今では他の大学へ進学しようという生徒も少なくありません」(日大関係者)

 日大の付属高校は全国に26校あり(来年度から目黒日大高も加わり27校になる)、その中でアメリカンフットボール部があるのは8校。

 中でも日大三高や日大鶴ヶ丘高は全国大会にも出場する強豪校。日大フェニックスの卵となりうる人材を付属高校でも育てていたのだが……。

「特に、日大豊山高は日大フェニックスの練習場を借りて練習しています。そのためか“フェニックスのグラウンドを借りて練習をしているのに他大学へ行くなんて許されない”と無言の圧力が選手たちにかかり、これまでは他大学への推薦状なども書いてくれませんでした。

 しかし、今年はこれほどの騒ぎになり、保護者会もたびたび開かれました。今年の日大豊山高の3年生のアメフト部員は11人いますが、そのうち4人が日大へは進学せず、他大学へ行くそうです。都内の有名私大や首都圏で実力をつけている大学などでアメフトを続けるようですね」(大学アメフト関係者)

 急激な進路変更を知ったほかの選手の保護者は大慌て。アメフトでの推薦(トライアウト)はすでに終わっているところも多くやむなく日大に進まざるをえない現状も。

「実力があって特別に他大学へ行けた子もいるそうですが、日大に進むしかない子もいる。保護者の間でもギスギスしているようですね」(前出・同)

 7月30日、第三者委員会から最終報告書が提出され、日大アメフト部は今秋の公式戦の出場が見送られた。練習場付近の住民は、

「今は静かに練習しているけどさ、この騒動が起きる前はすごく練習時の声がうるさかったんだよね。夕方の5時くらいから練習が始まって、終わるのは夜9時とか遅いと11時くらいまでやっているから。

 150人くらいが大声出して練習しているんだから、そりゃうるさいよ。今後はどうなるのかわからないけど、アメフト部だけじゃなくて日大じたいに変わってほしい」

 と、つかの間の平穏もいつ壊されるのかと不安に感じている。表には出てきていない小さな問題も山積みのようで、

「7月30日に理事会は内田前監督と井上前コーチを懲戒解雇にしました。解雇前の理事会では田中理事長が“裁判をしてでも内田は守る”と言っていたようです。

 内田前監督と田中理事長の仲がいいのではなく、お互い弱点を握っていて、都合の悪いことがバレないようにということでしょう。しかし、内田前監督はもう失うものはなくなったので、そろそろ口を開くのではないかと注目されています」(前出・日大関係者)

 内田前監督の独裁体制や、元理事の井ノ口氏による口封じの隠ぺい工作などの生々しい実態が報じられてきたが、加害者の選手はアメフト部へは顔を出さず、ひっそりと大学へ通っているという。

 8月3日、日大のホームページで田中理事長は謝罪文を公表したが、持論を展開したにとどまっている。アメフト部の現役選手や未来の選手のためにも、本物の“学生ファースト”を目指してほしい。