【MLB】大谷争奪戦の“裏側”、カブス右腕は好意的に回顧「彼はとても熱心だった」
開幕から二刀流で圧巻の活躍、ヘンドリクスは「とにかく見ていて楽しい」
エンゼルスの大谷翔平投手が、二刀流でメジャーを席巻している。ここまで投手として6試合登板で3勝1敗、防御率3.58、32回2/3で43奪三振。打者としては21試合出場で打率.342、5本塁打、16打点、OPS(出塁率+長打率)1.015と圧巻の成績をマーク。チームも開幕から好調を維持している。
大谷はすでにチームに大きな影響を与えているが、エンゼルスは昨年12月に大争奪戦を制して二刀流右腕との契約にこぎつけた経緯がある。新労使協定のもとでは23歳以下の外国出身選手を“格安”で獲得できるとあって、メジャーのほぼ全球団が参戦。“書類選考”を通過したチームは本人との面談に臨み、最終的にエンゼルスが選ばれた。ただ、その方法には賛否の声があがった。候補球団の1つであったドジャースは獲得が叶わず、面談に同席していたクレイトン・カーショー投手、ジャスティン・ターナー内野手はその後、地元メディアを通して不快感を明らかにしたが、同じように“出馬”していたカブスの右腕は「個人的には楽しい時間だった」「オオタニはとても熱心に面談に臨んでいた」などと振り返っている。
地元メディア「ジ・アスレチック」に掲載された記事で、大谷との面談について明かしていたのは、カブスの先発ローテーションを支えるカイル・ヘンドリクス投手だ。2016年に16勝(8敗)を挙げて世界一に貢献し、今季も7試合登板で2勝2敗、防御率3.02の好成績をマークしている右腕は「彼と顔を合わせるのはクールなことだった」と話したという。
記事では、カブスが当時、投手陣とクラブハウスの中心人物であるヘンドリクスに面談への出席を依頼したことを紹介。シカゴは大都市ではあるものの温暖な西海岸とは違い、カブスはナ・リーグのためDHでのレギュラー出場を確約できないこともあって、当初から大谷獲得の可能性は低いと考えていたという。それでも、ハネムーンからシカゴに帰る予定だったヘンドリクスは夜行便でロサンゼルスに向かい、面談に参加したというのだ。
ドジャースの選手は不快感も…ヘンドリクスは「個人的には楽しい時間だった」
ドジャースのカーショーは以前、地元メディアの取材に対して、大谷との面談は「半端じゃなく時間の無駄だった」などと発言していた。記事では、そのことを振り返りつつ、ヘンドリクスのコメントを紹介している。
「いや、そんな風(時間の無駄)には思わなかったよ。もしかしたら僕だけがそうだったのかもしれないけどね。彼と顔を合わせるのはクールなことだったんだ。こういった類の話の場に立ち会うことは、自分自身にとっても為になる経験だったよ。個人的には楽しい時間だったかな。だから、全くもって時間の無駄とかではなかったよ」
記事ではさらに、同じドジャースの主砲で、現在は負傷離脱中のターナーが大谷との面談について「窓に話しかけているみたいだった」と振り返っていたことも紹介。ただ、ヘンドリクスは、カブスが大谷と会ったのは全7球団のうちで最後の方だったことに言及しながら、ターナーの発言にもやんわり“反論”している。
「彼がたくさんの(チームと)面談をしているのはわかっていたから(面談の進み具合が)若干、単調なものになってしまっているとは聞いていたんだ。僕たちが彼と面談した時には、たぶん最後から2番目か、最後の球団だったと思う。本腰を入れて彼との面談に臨むことが、セオ(エプスタイン球団社長)の目標の一つだったということは分かってるんだ。オオタニはとても熱心に(面談に)臨んでいたよ」
「ほんの少し言葉を交わしただけで、彼がどれだけ知的な人物かわかったんだ。彼が通訳を介して話す言葉から、彼がとても賢い選手だということが伺えるんだよ。だけど、彼が実際にメジャーに適応して見せたことで、彼が自分に自信を持っていることがはっきりと分かったね。とにかく見ていて楽しいよ。本来持っているもの(才能)は現実離れしているわけだから。打席ではしっかりしたスイングもするし。本当に見ていて楽しい選手だよ」
ヘンドリクスは大谷に対して好意的な言葉を並べている。二刀流での活躍が、メジャーで多くの選手を“魅了”していることは確かだ。(Full-Count編集部)