中学に行ってない子が東大合格圏内の理由
■「学校に行け」ではなく「休んでいいよ」と言ってあげる
今どき不登校は珍しくないし、不登校そのものが将来の進路にマイナスをもたらすこともありません。むしろ不登校の子どもに突出した才能を持つ子が多いことがわかっているのです。
世界の偉人といわれる人の多くも、不登校の時代を経験しています。たとえばエジソンは学校生活に馴染めず、小学校に通っていません。アインシュタインやチャーチル、坂本龍馬も同様だったといわれています。また松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助は小学校4年で中退しています。これらの事例からも不登校になった子には、特別な才能がある確率が高いのです。もしその才能を見つけたら、存分に発揮できる道を用意してあげてください。才能を発揮できるか埋もれさせてしまうか、それは親や周りの対応いかんです。将来、世界を変えるほどの大人物や、社会を輝かせる有望な人材を、落伍者扱いするのはやめましょう。
では不登校になった子にはどう接すればいいか。子どもにとって不登校は、何らかの意思表示ですから、まずは子どもの話を聞いてあげましょう。しかし話を聞いてもわからないことが多々あります。不登校の理由として近年で最も増えているのは「わからない」です。本人もわからない以上、親がいくら聞いてもわからない。ただそれまでの生活に何らかの原因でストレスを抱えていることは確かなので「休んでいいよ」と言ってあげる。その一言が、結果的に不登校の期間を短くすることにつながることが多いのです。
■小6から中3まで不登校の子が今、東大合格圏内
突出した才能を持つ子は、精神的にも成熟しており、集団教育に馴染みづらい。知能が高いので、画一的な価値観を押し付けられると心理的な反発を覚えるのです。同世代の稚拙さに辟易してもいます。普段は我慢して合わせているものの、我慢が限界に達したとき、本人は学校に行こうと思っても、体が動かなくなってしまうのです。この状態になったらとにかく学校を休ませて、ストレスから解放してやることが重要です。
勉強の遅れを気にする親も多いのですが、そこの心配は大丈夫。ある高3の男の子は、小6から中3までの4年間、学校に通いませんでした。ところが高校にギリギリで入学した後、驚異的な頑張りと吸収力を学習面で見せています。1年生の終わりにクラストップになったと思ったら、先日の模試で国内トップテンに入りました。東大も視野に入るレベルです。
こと学力についていえば、今の時代、勉強できる教育サービスは充実しています。外に出られる状態なら、不登校に理解のある塾に通うのもいいし、外に出るのもきつい子は家庭教師がおすすめ。スマホやパソコンで勉強もできますし、本人が望めば海外留学もいい。昔と違い不登校は就職でもハンディキャップになることはほぼありません。
私の知る別の生徒は、不登校をきっかけに、「本当は絵を描きたいんだ」と母親に打ち明け、現在は美大に通いながら、次々に個展を広くようになりました。不登校は早期に自分を見つめる機会になりますし、また早い時期に挫折感を味わうことで、精神的にも強くなり、社会に出たときに折れない精神力を身につける契機にもなる。大人の引きこもりが増えていることを考えれば、この時期に不登校という道を選ぶことは、将来にとって大切なのです。
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(REO代表取締役 阿部 伸一 構成=大島七々三 撮影=榊 智朗)