RIZAP多業態化推進の狙い
激やせジムで知られるRIZAPグループ(以下、ライザップ)が、多業態化を加速する姿勢を明らかにしている。既に同社は夢展望(靴・衣料のネット通販)やJEANS(カジュアルなズボンメーカー)の複数社を傘下に収め、アパレル業界進出を整備している。そんなライザップが「今後、食・スポーツ分野に本格参入する」と宣言したのである。「2021年3月期には、両分野の売上高を現状の3倍以上の1000億円以上に拡大する計画」とした。
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この数字は中途半端ではない。今3月期の売上計画は1502憶200万円だからである。では上記の1,000億円計画は、どんな段取りで実現しようというのか。創業者社長の瀬戸健氏は手の内を、こうさらけ出す。
★3月下旬に低糖質米「とらひめ」の定期販売を開始する。かつタイガー魔法瓶と提携し、「とらひめ」専用調理器をセットで販売する。「コメを単に売るだけではなく調理器や管理栄養士によるサポート、食事管理アプリなどを合わせて提供していく」(瀬戸氏)という。また1月に買収した仕出し弁当の宅配業者「ご馳走屋惣兵衛」の配送網を活用し、ダイエット・美容・健康などコース別の弁当の定期販売を行う。
★スポーツ分野では、ゴルフスクール事業を拡大する。昨年末にスポーツ用品店のビーアンドディーを買収しているが店舗に今年3月以降、適正種目診断サービスを導入し来店客の運動能力を測定・提供する。ゴルフスクール事業拡大の橋頭堡にしようというわけだ。
同社は03年4月に、「健康食品の通販事業」を祖業として始まっている。その後の沿革は同社のホームページに委ねるが、一口で言うと「ライザップの歴史の裏にM&A戦略あり」という感が強い。瀬戸氏は「自己投資産業でグローバルNO1ブランドとなる」とするが、言われてみれば同社を全国区企業にした「激やせジム」なども確かに自己投資産業といえる。
ただ「激やせジム」が話題騒然のいまは、「ライザップ経済圏構築」(同)の成否は暫く様子をうかがう時間が必要であろう。