東急電鉄が運行する「世田谷線」は、前身となった玉電こと玉川線が2017年に開通して110周年を迎えたことから、昨年10月からさまざまな周年イベントが開催されてきた。

すでに終了したイベントもあるが、期間限定で運行中の「幸福の招き猫電車」は2018年3月末まで乗車可能だ。沿線にある「宮の坂駅」近くにある招き猫発祥の場所とされる豪徳寺にちなんだこの電車だが、3月18日に貸切運行を予定しており、現在乗車希望者を募集中だ。


発車音が「にゃーん」ではないのが惜しい(提供:東京急行電鉄株式会社)

世田谷線と沿線への愛が試される

東急電鉄が主催するこの「幸福の招き猫電車」貸切イベント、単なるローカル路線の小イベントとは侮れない。三軒茶屋―下高井戸間の10駅、路線距離も5キロ程度と限られたエリアを走る路線だが、都電荒川線と共に都内を走る数少ない路面電車としてファンは多いのだ。

もちろん、単純に見た目や車内の装飾も可愛く、ツイッター上でも人気があることは2017年10月にもJタウンネットで取り上げた。人気は今でも健在。猫の手型のつり革や、足跡があしらわれた床のデザインがよく投稿されている。

そんな招き猫電車を貸切で楽しめるというイベントだが、「玉電100周年記念」公式サイトによると応募期間は2月23日まで。応募方法はキャンペーン用応募はがき(世田谷線三軒茶屋駅・上町駅・下高井戸駅の窓口で配布)、または郵便はがきに沿線内で興味のあるジャンルと氏名・性別・年齢・住所・郵便番号を記入して投かんするだけだ。

記者も応募するかと考えていると、気になる表示があった。まず応募人数は30人だが「一人で参加できる方限定」という条件がつく。これは複数人や団体の応募で枠が埋まってしまうのを防ぐためだろう。

もうひとつは「世田谷線沿線の魅力を発信できる方」という応募資格だ。記者はJタウンネットを利用して魅力を発信できる自信があるが、一般的にはハードルが高いような気がしなくもない。この資格どうすれば満たせるのか......。Jタウンネットが東急電鉄に確認してみると、

「SNSや口コミで世田谷線の魅力を伝えていただけるような、世田谷線とその沿線への愛情・思いやりをお持ちの方という意味で、厳格な基準があるという意味ではありません」

と答えてくれた。

「乗車後に『本当にSNSや口コミをしたのか』などと調査できるわけでもありませんし、『自分には魅力を伝える気持ちがある!』程度で気軽にご応募ください」