敵地での一発勝負に加え、クラブW杯で蓄積した疲労も。本田とパチューカにとって酷なシチュエーションだったのは確かだ。(C)Getty Images

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 12月21日の前期コパMX(メキシコ・カップ)の決勝で、モンテレイに0-1で敗れたパチューカ。本田圭佑は右サイドから何度か好機を演出したが最後までビハインドを覆せず、移籍後初のタイトル獲得はならなかった。
 
 試合翌日にゲームを詳報したのがスポーツチャンネル『ESPN MEXICO』だ。そのなかで、名物解説者のフェリペ・ラモス氏が展開した持論が波紋を広げている。元国際主審の同氏。2002年日韓ワールドカップでは準々決勝のイングランドvsブラジル戦の主審を務め、ロナウジーニョを一発退場させた人物として知られる。ジャッジ解説をさせたら北中米随一の敏腕だ。
 
 氏によると、前半終了間際のミスジャッジが試合の結果に大きな影響を及ぼしたという。モンテレイの元アルゼンチン代表DFホセ・マリア・バサンタが本田に対し、足の裏を見せるタックルで同選手の左足首を激しくスパイク。本田自身も怒りを露にしたシーンで、「どう見ても一発退場だ。だがホルヘ・アントニオ・ペレス主審が提示したのはイエローカード。明らかな判断ミスだ」と断じ、「あのワンプレーが見過ごされなければ、流れは大きく変わっていただろう」と論じたのだ。
 
 この発言に対して、SNS上では両チームのサポーターが舌戦を展開。「その通りだフェリペ!」や「再試合が妥当だ!」「あからさまなホームアドバンテージ(試合はモンテレイの本拠地で行なわれた)」など興奮気味のパチューカ側とは対照的に、モンテレイ側は冷静に「もう終わったこと」「不可抗力であって故意ではない」と反論し、「一度下った判定は決して覆らない」とも。なかには「あんなタックルを食らってホンダの足は大丈夫なのか」と心配する声も上がっていた。
 
 モンテレイの優勝が取り消される可能性はかぎりなくゼロに近いが、ラモス元主審は「(メキシコ・サッカー)協会がバサンタに出場停止処分を科すだろう」と予想した。
 
 メキシコ・リーグ前期は12位に低迷したパチューカ。捲土重来を期す後期の開幕戦は1月6日、本拠地でUNAMと対戦する。