東京23区の北部を走る都電荒川線が、「東京さくらトラム」の愛称に基づき、各駅にナンバーが付けられることになった。

愛称が定着していないのになぜとの疑問も出ており、Jタウンネットでは、東京都交通局に話を聞いた。

「外国人を含む観光客の方にも親しみやすい」

「東京さくらトラム」の愛称は、公募に基づいて2017年4月28日に発表され、小池百合子都知事は、「外国人を含む観光客の方にも親しみやすい」などとこの日の定例会見で理由を説明した。

そして、11月16日になって、今度は、東京さくらトラムに基づく駅ナンバリングが発表された。東京さくらトラムの路線シンボルとして、「SA」の文字を入れた桜マークを作成し、全部で30ある停留場について、SAと組み合わせたナンバーを付けて桜マークで表示することにした。

例えば、ナンバリングは、三ノ輪橋停留場が「SA01」、早稲田停留場が「SA30」などとなっている。


駅ナンバリングの1例

東京都交通局では、11月下旬から、駅名などの案内標識を始め、車内路線図、車内案内、ホームページなどに順次導入するとしている。その理由として、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え、訪日外国人旅行者の方々をはじめ、全てのお客様により分かり易く、安心してご利用いただくため」とニュースリリースで説明している。

とはいえ、ツイッター上では、まだ愛称が定着していないのになぜそこまでやってしまうのかと、疑問の声が続々と上がった。

「親しんでいる人も多い『都電荒川線』をカッコに」

東京都交通局の営業課は11月17日、Jタウンネットの取材に対し、次のように説明した。

「いろいろ考え方はあると思いますが、もともと外国人に分かりやすいということで愛称を決めました。桜は、沿線の公園などに咲いており、『さくら』は、公募のときに推す意見が多かったものです。名称がピンとこない方もいらっしゃいますので、40年以上の歴史があり親しんでいる人も多い『都電荒川線』をカッコ書きの中に入れています」

ただ、「東京さくらトラム(都電荒川線)」と表示すると、パッと見で分かりにくいことは認めた。

「SA」は、「SAKURA」の最初の2文字から取ったという。東京さくらトラムの愛称については、撤回の予定はなく、今後も使用したいとしている。