去年、大ブームを起こしたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。新垣結衣さんの可愛さはもちろん、星野源さんが演じる"津崎平匡"の行動にムズキュンして、放送終了後は「来週から何を楽しみに生きていけばいいの……?」と放心した人も少なくはないのではないでしょうか。

そんな人に朗報です。平匡さんの職業である「エンジニア」と出会えるイベントがあるのだとか。しかも参加費は男女ともに無料で、応募が殺到して増席したほどの人気具合。応募ページの参加資格の項目には、

「男性はエンジニア職であることを証明するもの(名刺・社員証等)」

……これはガチでリアル平匡さんに出会える!? ということで中学時代から星野源さんに屈折した愛情を注いでいるサブカル女子(25)が7月7日に開催された『エンジニアカップリングNight!』(主催:VSN)に参加してまいりました。(取材・文:市ヶ谷市子)

ウェイウェイしてないのにコミュ力高いエンジニア男子

会場は港区芝浦にあるVSNの本社オフィス。この日は20〜40代の男性26人、女性18人が参加しており、年齢層は20代が中心だったようです。

男性は全員エンジニア。女性にもエンジニアはいましたが、医療系、営業、公務員、研究職とさまざま。ファッションもキレイ系からカジュアル系まで個性光る人が多かったです。

しかし男性は9割が黒髪+シャツ+スラックス。打ち合わせしてから来たのかな、と思ってしまうほど。

そういえば募集ページに「服装は自由ですがスーツやオフィスカジュアルのほうが好ましいです」とありました。エンジニアさんはTシャツにジーンズというラフな服装の方が多いと思うのですが、ここまで遵守するとは……。なんかもうエンジニア可愛い。

自己紹介タイムでは、1対1になって自己紹介カードをもとに会話をします。でも制限時間は1人につき1分。

"エンジニア男子"とひとくくりにするのは忍びないのですが、印象として積極的にコミュニケーションを取ろうとしている人が多かったです。全然ウェイウェイしたところがなくて、ひとつひとつの話題を丁寧に聞いてくれます。例えば、

「市ヶ谷さんは落語が好きなんですね。僕も行ってみたいけど敷居高くて……」
「ジム行ったあと、帰ってビール飲んじゃいますよね。意味ないって分かってるけど! どれくらい通ってるんですか?」
「『特技:動物のマネ』ってどういうことですか? ハシビロコウ? どんな生き物ですか?」(※ハシビロコウ:ペリカン目ハシビロコウ科の大型の鳥類)

という「受け止め(共感)」→「会話の展開」をされて嬉しくないわけがない。エンジニア男子って気難しい人が多いのかな?と思っていましたが、人当たりのいい人が多かったです。サブカル界隈にいたら絶対メンヘラに付け込まれると思います。

自己紹介タイムでは22人の男性と話しましたが、1分は短すぎです。「えっ『ムー』が好きなんですか!?」って聞いた瞬間に時間切れしました。(※ムー:学研プラスが出版する月刊オカルト誌)

筆者の記憶により残っていたのは、話した内容より"会話のテンポ感がよかった人"です。このあとカードに"初対面の印象が良かった人3人の番号"を書いて提出。集計後、「○番の人があなたに興味を持っています」という紙が渡されます。アナログ版「いいね」ですね。

カップリングしたら「男性が1階で待ってる」に胸キュン

次はゆっくり会話ができるフリータイム5分間×3回です。司会が「ではご自由にお話ください!」と言いますが、女性も男性も「……」という感じで5秒ほど世界が止まっていました。しばらくすると男性が率先して女性の方へ向かっていました。

フリータイムで感じたのは、普段だてにシステムトラブルの対処をしてないというか、割とどんなことをしてもドン引きしない、ということ。

ハシビロコウのマネして、爆笑でも苦笑でもなく、「へー!」って納得されたの初めてです。たぶんサブカルだろうがドルオタだろうが腐女子だろうが「あなたはそうなんだね」と受容してくれそうだなあと思いました。

そしていよいよカップリングタイム。カップルになりたい人を最大第3希望まで書いて、提出します。どのようにカップリングの可否が分かるかというと、

司会「男性が先に会場を出て、封筒をもらってください。カップリングしていればその中に通知が入っています。カップリングしていたら1階に降りて、女性を待っていてください」

とのこと。なにこの甘酸っぱい青春感! 1階で待ち合わせなんて文化祭のカップリングイベントみたい! それでクラスメイトに冷やかされるやつでしょ! そんな青春しらないけど!

先に男性が退場し、筆者も封筒を受け取ると……なんとカップリングしておりました。今回は5組カップリングしたようです。ハシビロコウのマネしてよかった。

1階に降りると、いました。待ってました。黒髪でシャツとスラックスを身に着けた、ちょっと何考えているかわからない感じの男性。死ぬほど照れくさいです。カップリングした人と駅まで一緒に帰るんですよ、高校生みたい。

趣味や仕事の話をして、連絡先交換して、駅で解散。なんだこれ。健全すぎてキュンキュンする。ちなみに彼は改札で別れたあと1回も振り向かないタイプでした。キュン……。

この「エンジニアカップリングNight」は好評のため2回目も開催予定なのだとか(日程未定)。

ちなみに主催者が男性側に参加理由を聞いたところ、「人脈作り」という人もいましたが、やはり最も多かったのは「出会いを見つけるため」。エンジニア男子に出会いたい女性はもちろん、特にオラオラウェイウェイ系から離れてみたい人、甘酸っぱい青春を取り戻したい人にオススメです。