商品の注意書きにはときどき、気にしすぎな筆者が「これ書いた人も気にしすぎだろうな」と思える「注意深すぎる注意書き」があるのです。
筆者が勝手に「注意深っ!」と思った、憎めない注意書きを集めてみました。

「絶対に!」を滅多に言わないタイプ




計量スプーンです。便利そうだったり、かわいいデザインだったりしますが…



「分量はだいたいの目安としてお考えください。」

そう書きたくなるの、わかります。
間違っていたときのことを恐れて「絶対にそう!」と言うことが苦手で、「目安」や「約」、「だいたい〜くらい」という言葉に、筆者もどれほど支えられてきていることか。



言うてもデリケートやで




「紙パック」という点に注目


「風味保持の為、バリア性の高いパッケージを使用しています。」

「紙パック、脆いよ」という注意喚起と思いきや、逆に自信ありげなご様子。


「紙容器は、外部のにおいを吸着しやすく、また衝撃に弱いので、取扱いにはご注意ください。」

結局脆いんかーい。
ちょっと強気に言ったけど心配になって補足するときのような感覚でしょうか?



2・週・間!!!!!




消費者の体内に入る飲食物。保存方法に関する注意喚起は欠かせませんね。
それにしても…



でかいな。ここまで大きいと「2週間以内に使用せねば」という使命感に駆られます。うっかり消費期限を切らせてしまうというもったいない事態まで防げるナイスな呼び掛けです。

人様の猫、なんと呼ぼう?




ペット関連用品でも見つけました。
周りの人の、ご家族やペットの呼び方に悩むことがあります。
あなたのとこの「猫」…ぶっきらぼうだなぁ。「にゃんにゃん」…一周してバカにしているなぁ。
このメーカーでは…


「本製品の香りが猫ちゃんやお客様に合わない場合は、使用を中止してください。」

「猫ちゃん」でした。
「猫やお客様に合わない場合…」では、呼称のギャップにビジネスライク臭を感じ、気になったと予想。
注意書きに「ちゃん」の登場は不自然ですが、かえって良いやわらかさを感じます。不自然故に注目するきっかけにもなります。

「あたりまえ」注意書き2連発


その1



安全ピン(針)ときたら注意喚起せずにはいられなさそうな……


「針先に注意してご使用ください。」

やはり「針先に注意して」と書かれています。

「クリップで指や耳等、体の一部を挟まないでください。けがの原因になります。」

あたりまえ。
今回注意書きをたくさん見て回り、「乱暴に扱ったら壊れます」みたいな「そりゃそうじゃ」という喚起も何度か発見しました。気に掛けられないよりも気に掛けてもらえる方が、消費者としてはありがたいからか、ツッコミはしても憎めないのです。



その2



ケーキを焼く「型」です。


「容器は食べられません。」

わかっています。
こういった表記、「消費者をバカにしていると思われないか、でも喚起しないで容器を食べる人が現れたら…」の葛藤もあるのでは? 勝手に苦悩をお察しします。
小さい頃、シャンプーの容器に書かれている「これは飲み物ではありません」を見ながら母がよく言っていました。「これ子供に向けて書いているなら、ひらがなで書くべきなのに」と。

「具体的」注意書き3連発



その1



便利ですよね。ホットケーキ以外にもいろいろ作れますし。
いろんな調理の仕方がある故に…


「スペイン風揚げ菓子」…

「スペイン風揚げ菓子」のようなコアなお菓子のことまで懸念して注意喚起するとは注意深さ5000キロメートル…と思いきや、インターネットで検索したところ、「スペイン風揚げ菓子」とは、どうやらあの「チュロス」のようですね。しかし「チュロス」の方がわかりやすいのに「スペイン風揚げ菓子」と書いたのはなぜなのか? 「チュロス」が登録商標だからなのかと気になってしまいます。

その2



お次は綿棒。みんな使い慣れているからこそ、丁寧な注意喚起が必要かと。そうは思うのですが…


「綿球から1.5センチの部分を持って」

具体的だなぁ1.5センチ。
前出のピザソースのように、「そうでないとダメ」感がひしひしと伝わってきます。他のメーカーの綿棒にも「1.5センチ位」と書いてあるものがありました。

同じ「注意深い」でも、計量スプーンは「あくまで目安」とやんわり喚起し、こちらは正反対で、わかりやすくするためか、「1.5センチ」と言い切って呼び掛けています。



ちなみに綿球から1.5センチのところとはココです。今まで、もう少し離れたところを持っていたなぁ。

その3



お馴染みのロングセラー商品「小梅」


「5倍濃縮梅果汁を0.41g使用していますので、生果汁換算すると製品中(68g)では3%です。」

なになによくわかんないけど、とっても具体的。
パーセンテージなどの数値をだすときに、その過程の数値も見てもらえるように書かないと落ち着かない派の人、これはもう共感も共感ではありませんか。
「0.41」「68」のように具体的な数値を示されると信用度が増しますね。



ほっこりする「恐れ」




ガーデニング用のオブジェです。


「画像はイメージです。実際の商品とは異なる恐れがあります。」

恐れ!?
「実際の商品とは異なる『場合』」ではなく、「恐れ」。
パッケージのイメージと実際の商品とが違っていることが、消費者にとって「恐れる」レベルであると認識しているかのような、メーカーの消費者思いな面がポロッと現れた感じにほっこりします。
それにしてもこの商品、パッケージの都合上「実際の商品と異なる」かどうかひと目でわかるので、「実際の商品と異なる恐れ」は、ほとんどないと言えるでしょう。

バランスに「注意」!




メールでも、アレもコレも伝えようとして長くなり、わかりづらくなることがしょっちゅうです。筆者が注意書き担当者だったら、字数が多すぎて字が小さくなって読めなくなること請け合い…何事もバランスなのですよね。
(武井怜)