「貧乏になる」お金持ちが財布を持たない意外な理由
社会人にとっても学生にとっても4月は始まりの時期ということで、「今年度はこれを達成したい」という目標を考えたくなる季節です。
でも、目標というのは不思議なもので、大きな目標を簡単に達成していってしまう人もいれば、小さな目標でもなかなかクリアできない人もいます。これって単純に能力の問題なのでしょうか?
『財布はいますぐ捨てなさい』(サンライズパブリッシング刊)の著者、金川顕教さんは、底辺高校からの名門大学合格、公認会計士試験合格、そして起業の成功と、困難な目標をことごとく達成してきたすごい人。
「能力的には高くない」と自ら語る金川さんは、なぜ難関資格やビジネス成功といった目標を達成できたのでしょうか。ご本人にお話を伺いました。
(新刊JP編集部)
――『財布はいますぐ捨てなさい』について、本書で金川さんが伝えたかったことはどんなことですか?
金川:何か目標があってそれを達成したい人や、新しいことを始めたい人は多いと思いますが、そういうものがうまくいかない時は、ほとんどの場合その原因は時間にあります。つまり、目標を達成するためにやるべきことをやる時間が取れないんです。
僕はこれまで大学受験や公認会計士試験、そして起業と、さまざまなチャレンジをしながら、目標を達成してきましたが、そのたびに彼女と別れたり、携帯を見るのをやめたり、「やらないこと」を決めることで、やるべきことに一点集中できる環境を作ってきました。
この本で、僕がこれまでやらないと決めたこと、不要だと思った習慣について解説していますが、皆さんが目標を達成する助けになればいいなと思っています。
――タイトルにある「財布を捨てなさい」にはどんな意味があるのでしょうか。
金川:昔、あるお金持ちの人に「現金を使う人は、お金的にも時間的にも貧乏になる」と言われたことがあります。
僕は大学生の頃、毎日コンビニに行ってジュースや水を買っていたのですが、コンビニで買うと一本100円ちょっとしますよね。これって一カ月にすると3000円以上になるわけですが、ネットショッピングでまとめ買いすれば、一本数十円で買えるばかりか、コンビニに行く時間の節約にもなります。
コンビニに立ち寄る時間なんて5分かそこらですが、毎日行くと積み重なって大きな時間になります。こういう時間が本当にやるべきことをやる時間を削ってしまう。このことに気がついてから、僕は財布を持たなくなりました。
――「やらないことを決める」というのは、目標達成の方法として合理的ですが、とてもストイックな姿勢でもありますね。
金川:一種の「断捨離」ですよね。確かにストイックなのかもしれませんが、たとえば職人が一人前になるのって、20代の10年をまるごと修行に費やすことが必要だったりするじゃないですか。その期間だけは、周りがどんなに遊んでいようが自分は遊ばずに修行する、みたいに。
何かを達成するには、他のことを全て我慢してそちらに全力を注ぐ時期があっていいと思いますし、必要なことだと思っています。
――本を読んだ限り、金川さんご自身もものすごくストイックです。
金川:がんばるしかない、という状況に置かれることが多かったからかもしれません。僕は大学に入るまでに2年浪人しているのですが、浪人生活が2年目に入ると高校の友達はみんな働いているか、専門学校に行った人ももう就職が決まっていたりするわけです。
それを見ると自分が出遅れているのを痛感しますし、浪人している間もずっと親にお金を出してもらっていましたし、高校もほとんど底辺の学校だったので、そこを出て2年も勉強して大学に受からないとなると本当の落ちこぼれになってしまう。必死にやらざるをえなかったんです。
起業した時もそうで、それまで世界一の規模を誇る会計事務所デロイトトウシュトーマツグループである有限責任監査法人トーマツに勤めていたのですが、辞めてしまってもう稼ぐしかありませんでした。
――本の中で「学歴」や「肩書き」は不要なものだと書かれていました。これは、お金を稼ぐという意味では不要ということですか?
金川:そうです。僕自身、以前は学歴や肩書きをすごく求めていたところがあって、いい大学を出て、いい資格を持って、いい会社に勤めていればいい生活を送れると思っていました。
でも、25歳くらいのときに『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで、その考えに疑問を持ち始めました。いい大学を出ていい会社に入ることと、いい生活を送ることって、実はあまり関係がないように思えたんです。
これって実際にそうで、一度会社に入ってしまえば、学歴が仕事の評価に繋がることも、役職で仕事の結果が決まることもほとんどありませんから、学歴や肩書を手に入れることを目標にするのはあまり意味がないと思います。
僕の本を読む方はもうどこかで働いていて、学歴を今から変えられる人は少ないと思いますが、社会人になってきちんとプライドを持てる人って、学歴ではなく別のところにプライドを持っている人なので、あまり学歴にこだわらずに実力を伸ばしていっていただきたいですね。
(後編につづく)
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でも、目標というのは不思議なもので、大きな目標を簡単に達成していってしまう人もいれば、小さな目標でもなかなかクリアできない人もいます。これって単純に能力の問題なのでしょうか?
『財布はいますぐ捨てなさい』(サンライズパブリッシング刊)の著者、金川顕教さんは、底辺高校からの名門大学合格、公認会計士試験合格、そして起業の成功と、困難な目標をことごとく達成してきたすごい人。
(新刊JP編集部)
――『財布はいますぐ捨てなさい』について、本書で金川さんが伝えたかったことはどんなことですか?
金川:何か目標があってそれを達成したい人や、新しいことを始めたい人は多いと思いますが、そういうものがうまくいかない時は、ほとんどの場合その原因は時間にあります。つまり、目標を達成するためにやるべきことをやる時間が取れないんです。
僕はこれまで大学受験や公認会計士試験、そして起業と、さまざまなチャレンジをしながら、目標を達成してきましたが、そのたびに彼女と別れたり、携帯を見るのをやめたり、「やらないこと」を決めることで、やるべきことに一点集中できる環境を作ってきました。
この本で、僕がこれまでやらないと決めたこと、不要だと思った習慣について解説していますが、皆さんが目標を達成する助けになればいいなと思っています。
――タイトルにある「財布を捨てなさい」にはどんな意味があるのでしょうか。
金川:昔、あるお金持ちの人に「現金を使う人は、お金的にも時間的にも貧乏になる」と言われたことがあります。
僕は大学生の頃、毎日コンビニに行ってジュースや水を買っていたのですが、コンビニで買うと一本100円ちょっとしますよね。これって一カ月にすると3000円以上になるわけですが、ネットショッピングでまとめ買いすれば、一本数十円で買えるばかりか、コンビニに行く時間の節約にもなります。
コンビニに立ち寄る時間なんて5分かそこらですが、毎日行くと積み重なって大きな時間になります。こういう時間が本当にやるべきことをやる時間を削ってしまう。このことに気がついてから、僕は財布を持たなくなりました。
――「やらないことを決める」というのは、目標達成の方法として合理的ですが、とてもストイックな姿勢でもありますね。
金川:一種の「断捨離」ですよね。確かにストイックなのかもしれませんが、たとえば職人が一人前になるのって、20代の10年をまるごと修行に費やすことが必要だったりするじゃないですか。その期間だけは、周りがどんなに遊んでいようが自分は遊ばずに修行する、みたいに。
何かを達成するには、他のことを全て我慢してそちらに全力を注ぐ時期があっていいと思いますし、必要なことだと思っています。
――本を読んだ限り、金川さんご自身もものすごくストイックです。
金川:がんばるしかない、という状況に置かれることが多かったからかもしれません。僕は大学に入るまでに2年浪人しているのですが、浪人生活が2年目に入ると高校の友達はみんな働いているか、専門学校に行った人ももう就職が決まっていたりするわけです。
それを見ると自分が出遅れているのを痛感しますし、浪人している間もずっと親にお金を出してもらっていましたし、高校もほとんど底辺の学校だったので、そこを出て2年も勉強して大学に受からないとなると本当の落ちこぼれになってしまう。必死にやらざるをえなかったんです。
起業した時もそうで、それまで世界一の規模を誇る会計事務所デロイトトウシュトーマツグループである有限責任監査法人トーマツに勤めていたのですが、辞めてしまってもう稼ぐしかありませんでした。
――本の中で「学歴」や「肩書き」は不要なものだと書かれていました。これは、お金を稼ぐという意味では不要ということですか?
金川:そうです。僕自身、以前は学歴や肩書きをすごく求めていたところがあって、いい大学を出て、いい資格を持って、いい会社に勤めていればいい生活を送れると思っていました。
でも、25歳くらいのときに『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで、その考えに疑問を持ち始めました。いい大学を出ていい会社に入ることと、いい生活を送ることって、実はあまり関係がないように思えたんです。
これって実際にそうで、一度会社に入ってしまえば、学歴が仕事の評価に繋がることも、役職で仕事の結果が決まることもほとんどありませんから、学歴や肩書を手に入れることを目標にするのはあまり意味がないと思います。
僕の本を読む方はもうどこかで働いていて、学歴を今から変えられる人は少ないと思いますが、社会人になってきちんとプライドを持てる人って、学歴ではなく別のところにプライドを持っている人なので、あまり学歴にこだわらずに実力を伸ばしていっていただきたいですね。
(後編につづく)
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