熊本地震から1年を迎えた2017年4月半ば、熊本空港(阿蘇くまもと空港)の係員に対して、ツイッター上で「涙出ました」「本当にウルウルきました」という感動の声が寄せられている。


撮影:ANAの関係社員

「一年間支えてくれてありがとう」

ツイッターで話題になっている、このメッセージには、どんな思いが込められたのだろう。Jタウンネットは、空港に話を聞いてみた。

地震直後には「応援ありがとう頑張るけん熊本」

熊本空港によると、空港に勤めるANA(全日空)の係員が率先して始めた行動だったという。全日空事務所の担当者に話を聞くと、滑走路上に14枚のボードを立てかけ、手を振りながら機体の離陸を見送っていたという。

期間は、2017年4月14〜16日の3日間。ちょうど1年前、熊本地震の前震が起こってから本震が発生するまでの期間とぴったり重なっている。


撮影:ANAの関係社員

こうしたメッセージボードが立てかけられたのは、初めてではなかった。

「応援ありがとう頑張るけん熊本」

熊本地震でストップした航路が再開した直後、ANAの係員たちは「熊本に物資を届けてくれた方や、被災された方のご家族に、感謝の気持ちを伝えようと」搭乗客にこう書かれたボードを示していたという。

ANA事務所の担当者は、当時をこう振り返る。

「震災後熊本空港を利用するお客様は今までとは違い 支援物資を大量に抱えた方や、復旧作業を終えてそのまま搭乗される様子の 作業着のまま出発される方、やむを得ず被災地に家族を残し出発されるご様子の方々を見ていて 熊本から最後に見送る立場として、感謝の気持ちを伝えたい、また、今後は復興した熊本を見に来て欲しいという気持ちで実施しました」

係員たちの胸に秘めたる想いは、ANAの公式サイトにもつづられていた。

「『がんばるけん熊本』のメッセージボードを掲げると、機内から手を振ってくださったり、お辞儀をしてくださるお客様もいらっしゃり、『自分たちは出発するけれど、これからも頑張って』と、エールをいただいたような気がします。みなさん、本当にご支援ありがとうございます。 熊本は、これからも頑張ります」

1年後の節目にも何かやりたい。彼らはそう思い立ち、「一年間支えてくれてありがとう」と言葉を変えて再び、感謝の想いを伝えようとしたのだ。

「それから1年が経過し、これまで支えてくださったみなさんに節目としてお礼を伝えたいとの思いから、今回の実施となりました」(担当者)

撮影:ANAの関係社員

ツイッター上では、「感動した」という反響が相次いでいる。