「べっぴんさん」61話。いくらなんでも空気を読め

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連続テレビ小説「べっぴんさん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第11週「やるべきこと」第61回 12月12日(月)放送より。 
脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎



「この10日間は未来への希望につながる時間だった気がするわ」悦子さま(滝裕可里)

60話はこんな話


10日間の委託販売の結果がすこぶるよく、大急に支店を出せることになったすみれ(芳根京子)。一方、紀夫(永山絢斗)は、社内で社長としては頼りない存在と見なされていて・・・。

 4人の並び方に注目 


大島(伊武雅刀)の申し出を受けにキアリスが4人で出向いたとき、すみれの隣に明美(谷村美月)がいた。社長と初対面のときの並びは、君枝(土村芳)、すみれ、良子(百田夏菜子)、明美の順で、このように、これまではすみれとご学友が3人並んで、明美はいつも端っこだった。そのため新聞取材の写真でも都合よく切られてしまう。例えば、今回のこの立ち位置だったら万が一(あくまで万が一)撮られても切られない。3人がいかに明美を大切にしているか感じて、じんわりした。

一方、あまりにむごい・・・


「奥さん、やり手やのに、旦那ときたらぶっさいくなこっちゃ」
「笹井」
「笹井くん」
「すんまへん」
いくらなんでもこの場で(奥さんの目の前で)言うか? と視聴者から一斉にツッコまれたであろう困った社員・笹井役を演じている中村凛太郎に同情を禁じ得ない。
いくらやや顔をそむけて小声とはいえ、ここまで空気の読めない役なんて。
だが、事務所のなかで批判していたら紀夫に聞かれてしまったパターンは既に出てきてしまっているし、ここですみれに状況を知らせないといけないから仕方ない。
ありえない事象に説得力をもたせて演じることが俳優の仕事である。

それにしても、「べっぴんさん」には、紀夫や龍一(原知輝)など、予想外な言動をする人が何人も出てくる。笹井もそのひとりとして今後もやらかしキャラとしてがんばってほしい。

 がんばれ、紀夫くん 


「やりたいことがあるだけでもすごいことなのに やりたいこととやるべきことが一致している 奇跡のようなことやな」(紀夫)
すみれのことがまぶし過ぎて、布団被って寝るしかない紀夫。
ほかにすることなくて、洗濯物を取り込んでいる場面も切なかった。
戦争から帰ってきてから(戦争も含め)ずっと終わらない紀夫の試練。彼にもいつか奇跡の虹が見える日が来ることを祈りつつ見ています。

 久々登場、麻田さん の近況


すみれたちが出店で大変なときに、まったく出てこなかった麻田さん(市村正親)が久々登場。
いつもそっと見つめてくれていたのに、わずか数軒先に店を引っ越しただけで、御祝のときだけいるような調子のいい人へキャラ替えか? 
この日12月12日、タイミングよく、市村正親が8役演じるミュージカル「紳士のための愛と殺人の手引き」
の制作発表が行われた。
(木俣冬)