CBS MarketWatchによると、米下院は24日、米ユナイテッド航空の親会社、UALが赤字運営に陥っている同社年金制度を米労働省所管のPBGC(年金給付保証公庫)に移し、事実上、同年金制度を廃止しようとする会社側の計画を阻止する2006年会計年度歳出改正法案を219票対185票の賛成多数で可決した。今後は、上院でも同様な法案が審議され、上院と下院の合同協議を経て、大統領が署名すれば、10月1日から発効する。

  UALとユナイテッド航空は、米連邦裁判所の管理下で、経営再建中だが、今年5月に、裁判所から現在、11万9000人の従業員と退職者を対象とする企業年金制度をPBGCに移管する許可を得ており、すでに、PBGCとも移管で合意していた。しかし、移管後は、同年金制度の積立金不足分98億ドル(約1兆0700億円)のうち、PBGCは66億ドル(約7200億円)しか支援しないため、UALとユナイテッド航空の従業員は、同社の年金支給額が年間で数千ドル減額され、事実上、同制度が破綻するとして、米議会、主に民主党議員との連携を強め、反対していた。UALの経営陣は、これまで2年にわたって破産法の適用を受けている状況から脱却する第1歩として、年間6億4500万ドル(約700億円)の経費削減を可能にする同年金制度の廃止を重要視していた。【了】