「HUNTER×HUNTER」の再開を待ちながら21巻、食べ方が汚い2人の男

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冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』が休載されてから21週目。今回は単行本21巻を振り返る。


人間の脳みそを食べる蟻の王


女王蟻の腹を突き破って誕生した蟻の王。お腹を空かせて人里に出ていき、幼い女の子を殺して脳みそを食べはじめた。
「なるほど 悪くない」
キメラ=アントたちにとっては、ヒトの部位で最もおいしいのは脳ミソ。しかし、王は女王のお腹の中にいたころ、もっとおいしいものを食べたことがあるといっていた。

あの女の腹の中でごくまれに非常に濃厚芳醇な馳走が送られてきたのだ
あのえもいえぬ充足感 余の体が欲しておるわ

お腹の中で念能力者の栄養が送られてきたときには、強い幸福感があったらしい。肉団子にされてしまったポックルも、王の口に合う高級料理だったのだ。お肉になってもなお、プロハンターのレベルの高さを教えてくれる。
あのときの味をもう一度……。護衛団を引き連れて、今度は東ゴルトー共和国の宮廷にやってきた。

貴様ら どこの国の兵隊か知らないが
この宮廷に潜り込んだ以上 楽に死ねると思うなよ

立ちはだかる屈強な警備兵を見て「目を凝らさずとも感じてしまった」と、王は興奮を隠しきれない。
次のページをめくると、男が頭部を破かれて横たわっていた。

くくく これだ!! この味だ!!
来る!! 来る!! 来たぞ!! ふはははは 力が満ちて来おるわ!!

王は脳みそと思われる物体を両手いっぱいにもち、貪り食うのであった。

その下のコマには、東ゴルトー共和国の総帥、マサドルディーゴが彼らの存在に気づいて食事を中断。ナフキンで口を拭うシーンがある。

我が神通力で天罰を下すぞ!!

警告をいれる総帥だったが、次の瞬間、バラバラにされてしまった。

王も総帥も食べ方が汚い


王が宮廷に侵入したころには、高級料理をオカズに舞台上で裸に近い女性複数名を踊らせて悦に浸っていた総帥。フォークやナイフを使いこなし、王と比べて優雅に食事をしてるんだな、と思えるのだが、テーブルの上には食べこぼしがたくさんある。
ナイフで肉を切るときには、必ず手元に視線を落とさなければならない。目の前でスケベなダンスがやっているときに、その作業に1秒でも時間をとられるのはもったいない。食事も楽しみたいけど、ダンスを見るのも楽しみたい。そんな総帥の貪欲な考えが、食べこぼしを招いているのである。
(山川悠)

参考→『HUNTER×HUNTER』再開を待ちながら1巻から読んでみる