米原油市場概況(23日):一時60ドルを突破=原油供給不安で
CBS MarketWatchによると、23日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月物は、需要に供給が追いつかないとの懸念を反映し、一時、当面の節目と見られていた1バレル=60ドルを突破、60.05ドルまで上昇し、ザラ場での過去最高値を更新し、あと戻し、結局、前日比1.33ドル高の1バレル=59.42ドルで引けた。WTIがザラ場で60ドル台を超えたのは20日に付けた60.02ドルに次いで2回目。終値の過去最高値は20日の1バレル=59.88ドル。
アラン・グリーンスパン米FRB(連邦準備制度理事会)議長の議会証言での中国との貿易摩擦問題に関するコメントも、原油価格の上伸に寄与した。同議長は、この日、上院財政委員会の公聴会で証言し、「雇用を守るために世界の貿易システムを解体しようとするのは、米国の全ての求職者と消費者に悪影響を与える誤ったやり方だ」とし、中国に対して、制裁関税をかけるべきではない、と警告した。アラロン・トレーディングの上級アナリスト、フィル・フリン氏は、同議長の発言について、「トレーダーは、中国の原油需要は引き続き強いか、さらに強まるとの印象を持った」と話していた。
エコノミー・ドットコムの上級エコノミスト、ソーステン・フィッシャー氏は、このところの原油の高騰は投資家の強気の見方と原油供給不安が背景となっていると見る。また、同氏は、米石油在庫量は十分だが、依然、こうした問題は引き続き残っているとし、エコノミー・ドットコムは、適切な石油在庫量やOPEC(石油輸出国機構)による増産、経済成長の鈍化などファンダメンタルズを見る限り、原油価格は高値となる環境にはない、と指摘する。同氏は、「石油市場の活況はしばらく続き、この先、数週間に原油価格は何度も高値を更新するだろう」と語った。
原油価格の急騰で、溜出油も上昇、ガソリン7月限は前日比4.42セント(2.7%)高の1ガロン=1.6567ドル、暖房油7月限は同5.3セント(3.3%)高の1ガロン=1.6756ドルと、ともに反発した。【了】
エコノミー・ドットコムの上級エコノミスト、ソーステン・フィッシャー氏は、このところの原油の高騰は投資家の強気の見方と原油供給不安が背景となっていると見る。また、同氏は、米石油在庫量は十分だが、依然、こうした問題は引き続き残っているとし、エコノミー・ドットコムは、適切な石油在庫量やOPEC(石油輸出国機構)による増産、経済成長の鈍化などファンダメンタルズを見る限り、原油価格は高値となる環境にはない、と指摘する。同氏は、「石油市場の活況はしばらく続き、この先、数週間に原油価格は何度も高値を更新するだろう」と語った。
原油価格の急騰で、溜出油も上昇、ガソリン7月限は前日比4.42セント(2.7%)高の1ガロン=1.6567ドル、暖房油7月限は同5.3セント(3.3%)高の1ガロン=1.6756ドルと、ともに反発した。【了】