ブラジル・リオデジャネイロで開催中の夏季五輪において、体操男子団体総合に出場し金メダルを、個人種目別跳馬で銅メダルを獲得した白井健三。得意の床では着地に乱れが目立ちメダルを逃したが、跳馬では新技となる伸身ユルチェンコ3回半ひねりを成功させた。

すると16日放送、NHK「ニュースウォッチ9」に白井がゲスト出演。「本当は床で獲りたかったんですけど、床で失敗した後に開き直れての跳馬でのメダルなので、かなり大きなものを超えてのメダルな気がします。今はやり切った感で一杯」などと初めての五輪を振り返った。

新技の成功については「練習であまりうまくいっていなくて、床でうまくいかなかった分、開き直ってやろうと思って、やった結果がよかった。開き直ることだったり、強い意志をもって行動する大事さを知りました」と話した白井。その難易度を訊かれると「やり始めた当初は半分捻りの向きを変えるだけだと思ってたんですけど、そこに考えられないくらいの難しさがあった。跳馬に入る前のロンダートのやり方から変えなきゃいけなかったり。自分でも“こんなに重いんだ半分捻りって”って思うくらい難しい技。今回は確率は低かったんですけど失敗覚悟でいきました」と明かした。

また、本番での成功率を「立つことは30〜40%くらい」だと考えていた白井は、「(練習では)必ずラインを超えていてラインを超えなかった実施をしたのが試合が初めてだった」とも。練習では一度も完全な形で成功していなかった新技だが、「一杯練習してきた分の運がまわってきたんだなって。床の負けがなかったら出てなかった」と笑顔で語った。