7月7日は七夕の日。皆さんは今年、どこかの短冊に願い事を書きましたか？　でも、その短冊が、どんな色だったかまでは覚えていないですよね。短冊の色によって、もしかしたら叶うお願いごとの内容が変わってくるかも……。今回はそんなお話です。


七夕の「五色の短冊」の意味、知ってますか？



7月7日は七夕ですね。
笹の葉にお願い事を書いた短冊を結び付けて、織姫と彦星の再会を見守る……。
一年の行事の中でもとびきりロマンチックです。
でも、紙にお願い事を書くようになったのは、江戸時代以降のこと。
昔はちょっと違いました。

七夕といえば、「♪ささの葉　さらさら」の歌詞で知られる「たなばたさま」の歌を思い出しますが、あの歌の二番に「♪五色（ごしき）の　たんざく」という歌詞が出てきますよね。
この五色……どんな色のことを指すか、ご存知ですか？
青・赤・黄・白・黒。
この5種類は、陰陽五行説がベースになった日本人が大事にしている色たちです。

たとえば、鯉のぼりに付いている吹き流し。
あれも五色で作られていますよね。
魔よけなどの意味もあり、日本の伝統行事には主にこれらの色が使われています。
それぞれの色に意味があり、青は「礼」、赤は「仁」、黄色は「義」、白は「智」、黒は「信」となっています。

ということで「五色の短冊」は、基本的に青・赤・黄・白・黒の色を使うのが正解。
そしてその昔、短冊は紙ではなく糸が使われていました。
貴族が魔よけとして笹の葉に五色の糸を結び付け、その前で和歌などを読み上げていたのがもともとの七夕でしたが、江戸に入り庶民に広がると、いつのまにか「お願い事」を書くようになったのです。

今では、金や銀など色とりどりの短冊が飾られています。
ですが、もしお子さんなどと一緒に飾る場合、五色の意味を踏まえて短冊を選んでみてはどうでしょうか。
色に思いを託して夜空に届ける……。
それにしても本当に七夕は、ロマンチックです。

文／岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「七夕には、五色の短冊」として、7月7日に放送しました。

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＜番組概要＞
番組名：「シンクロのシティ」
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