中国人の評価は「国内で勝つ>>>世界で勝つ」 【矢島雅弘の「本が好きっ!」】

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みなさん、こんにちは。ブックナビゲーターの矢島雅弘です。
僕がパーソナリティを務めるインターネットラジオ『矢島雅弘の「本が好きっ」』。第11回のゲストは、『世界最強!華僑のお金術 お金を増やす「使い方」の極意』(集英社刊)を書かれた大城太さんでした。

成功の秘訣を知るために10年ほど前にある華僑の大物に弟子入りをしたという大城さん。インタビューでは本の内容に沿い、「華僑流のお金の使い方、考え方」などを突っ込んで聞いていきましたが、スタジオの外では、僕にとってあまり身近ではない華僑の人々の実態について教えていただきました。

■コンビニでアルバイトしている若い中国人も実は投資家かも?

「華僑の人々も、最初からお金持ちという人は少数で、みな最初はコンビニのバイトや飲食店の皿洗いなんかをしているんですよ。でも、日本人と違うのは、彼らはそのバイトをしながらでも不動産投資などを始める人がいることですね」と大城さん。

この不動産投資の資金などは、仲間内で共同購入をしたり、投資家の支援を受けたりするのだそうです。

すると、最近僕の近所のコンビニに入った中国系の若い女の子も、実は不動産オーナーだったりするんですかね? と冗談っぽく聞いてみたところ、大城さんは大笑いしたあとに少し真面目なトーンで「華僑の人たちは共働きが多いですから、若い女の子であっても、アパートの1〜2部屋を所有している可能性は十分にありますね」と教えてくれました。



■中国人の評価は「世界で勝つ」より「中国内で勝つ」

…う〜ん、それはすごい実行力だなぁ、と僕が感心していると、大城さんはこんなことも教えてくれました。

「華僑や中国系の人々は、中国国内で勝ち抜くほうが(他の国で勝ち抜くより)すごい、という意識を持っています。ビジネスでもスポーツでも政治でも、競争相手の人数が違いますからね。中国に比べれば、日本なら10倍、アメリカなら3倍の確率で勝てる、と考えている人が多いんですよ」

なるほど!中国に比べれば楽な土俵で勝負をしている、という意識が、チャレンジへの実行力を下支えしているというわけなんですね。さらには、著書でも紹介されている「最初に失敗するのは当たり前」「お金は残したり貯めたりするものではなく、使うもの」という華僑の考え方も、勝負をかける際にプラスに働きそうです。



今回のインタビューでは、華僑流の考え方を実践している大城さんに、失礼ながらあえて日本の保守的な考え方をぶつけることによって、両者の文化・考え方の違いをクローズアップしてきました。

面子を大切にしたり、結果さえ合っていれば契約を無視したり、プライベートではフレンドリーでもビジネスではシビアだったりする華僑流のやり方は、日本人の僕には驚きの連続。でも、大城さんによれば「大阪のある地域では、商業ビルの半数近くを華僑が所有している」とのことで、日本でも十分に通用するやり方なのだといえるでしょう。

欧米流とも日本流ともちょっと違う華僑流のお金の使い方、学ぶ価値は大いにあります。

(文/ブックナビゲーター・矢島雅弘)

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【矢島雅弘の「本が好きっ!」】
ブックナビゲーター・矢島雅弘による書評ラジオ。毎回、話題の本の著者が登場して、本について掘り下げるインタビューを届ける。
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